【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
23.「そんなにも、ジュリアナ嬢のことが好きなの?」
「ドロシー嬢、楽しかった?」
帰りの馬車の中。ルーシャンはふと思い立、ドロシーにそう問いかけてみた。そうすれば、ドロシーは不機嫌な様子を隠すこともなく、「ルーシャン殿下に、振り回されただけですよね」と言ってそっぽを向いてしまう。その態度を見るに、もしかしたらもう少しパーティーを楽しみたかったのかもしれない。いや、それには少し語弊があるか。きっと、ドロシーはジュリアナとの時間を楽しみたかったのだ。
「そんなにも、ジュリアナ嬢のことが好きなの?」
そんなドロシーを見ていると、少し意地悪がしたくなってくる。いたずら心に駆られ、ルーシャンはにやにやとしながらドロシーにそう問いかけてみた。すると、ドロシーは「まぁ、唯一の友人なので」とルーシャンにちらりと視線を向けたのち、答える。その頬は仄かに赤くなっており、もしかしたら照れているのかもしれない。しかし、それを指摘すれば最後、ドロシーの機嫌がさらに悪くなってしまいそうだったので、ルーシャンは指摘はせずに「そう」とだけ返しておいた。ルーシャンは、これでも空気が読める男なのだ。
帰りの馬車の中。ルーシャンはふと思い立、ドロシーにそう問いかけてみた。そうすれば、ドロシーは不機嫌な様子を隠すこともなく、「ルーシャン殿下に、振り回されただけですよね」と言ってそっぽを向いてしまう。その態度を見るに、もしかしたらもう少しパーティーを楽しみたかったのかもしれない。いや、それには少し語弊があるか。きっと、ドロシーはジュリアナとの時間を楽しみたかったのだ。
「そんなにも、ジュリアナ嬢のことが好きなの?」
そんなドロシーを見ていると、少し意地悪がしたくなってくる。いたずら心に駆られ、ルーシャンはにやにやとしながらドロシーにそう問いかけてみた。すると、ドロシーは「まぁ、唯一の友人なので」とルーシャンにちらりと視線を向けたのち、答える。その頬は仄かに赤くなっており、もしかしたら照れているのかもしれない。しかし、それを指摘すれば最後、ドロシーの機嫌がさらに悪くなってしまいそうだったので、ルーシャンは指摘はせずに「そう」とだけ返しておいた。ルーシャンは、これでも空気が読める男なのだ。