【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
24.「あぁ、寝台最高! 引きこもり万歳よ!」
「あぁ、寝台最高! 引きこもり万歳よ!」
「……お嬢様。せめて、ドレスをお脱ぎになってから……」
そんなリリーの小言に聞く耳も持たず、ドロシーは寝台でゴロゴロと転がっていた。
あれから時間は少し経ち。フォード伯爵家のパーティーから屋敷に戻ってきたドロシーは、化粧を落とすこともドレスを脱ぐこともなく、寝台にダイブした。そのまま、毛布を抱きしめる。
久々に社交界に顔を出したのは良いものの、やはり大層疲れる。周囲の視線にも疲弊するし、ジュリアナが側にいてくれていたとはいえ、退屈なのは否めなかった。社交の場とは、いわば腹の探り合いの場である。しかし、ドロシーはそういうまどろっこしいことはあまり好きではない。どちらかと言えば、正々堂々ぶつかって、力でねじ伏せればいい。そういう考えの持ち主だった。
「だって、腹の探り合いは嫌いなのよ。私、やっぱり引きこもってポーションを作っている方が性に合っているわ」
「……だとしても、ですね」
リリーはそう言って、ドロシーに向かってため息をつく。その後「湯あみの準備は済ませております。ですので、寝台から離れてくださいませ」と続けた。だからこそ、ドロシーは仕方がないとばかりに「……はぁい」と返事をする。リリーには、なんだかんだ言っても敵わない。やっぱり、長年側にいるだけはある。そう、ドロシーは思っていた。
「……お嬢様。せめて、ドレスをお脱ぎになってから……」
そんなリリーの小言に聞く耳も持たず、ドロシーは寝台でゴロゴロと転がっていた。
あれから時間は少し経ち。フォード伯爵家のパーティーから屋敷に戻ってきたドロシーは、化粧を落とすこともドレスを脱ぐこともなく、寝台にダイブした。そのまま、毛布を抱きしめる。
久々に社交界に顔を出したのは良いものの、やはり大層疲れる。周囲の視線にも疲弊するし、ジュリアナが側にいてくれていたとはいえ、退屈なのは否めなかった。社交の場とは、いわば腹の探り合いの場である。しかし、ドロシーはそういうまどろっこしいことはあまり好きではない。どちらかと言えば、正々堂々ぶつかって、力でねじ伏せればいい。そういう考えの持ち主だった。
「だって、腹の探り合いは嫌いなのよ。私、やっぱり引きこもってポーションを作っている方が性に合っているわ」
「……だとしても、ですね」
リリーはそう言って、ドロシーに向かってため息をつく。その後「湯あみの準備は済ませております。ですので、寝台から離れてくださいませ」と続けた。だからこそ、ドロシーは仕方がないとばかりに「……はぁい」と返事をする。リリーには、なんだかんだ言っても敵わない。やっぱり、長年側にいるだけはある。そう、ドロシーは思っていた。