【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
「……別に、良いのではありませんか」
そのため、ドロシーはカップを元に戻してそう答えた。
ルーシャンがエイリーンに心を奪われようとも、それはドロシーからすれば関係のないことだ。離縁後に新しい婚姻をしてもおかしくはないし、ドロシーはルーシャンのことを束縛するつもりもない。束縛はするのもされるのも嫌いだ。
「ルーシャン殿下が私との離縁後に何をされようが、私には関係ありませんから」
「……本当に?」
「えぇ。私たちの関係は限定的なもの。その時期を過ぎれば、私たちは赤の他人です」
目を瞑って、ドロシーはそう言う。その言葉に嘘も偽りもない。本心と真実だけだ。ドロシーもルーシャンも、元は赤の他人。というか、夫婦とは元々赤の他人なのだ。離縁をすれば元の関係に戻るだけなのだ。
「それに、私は束縛が嫌いです。するのも、されるのも。なので、ルーシャン殿下を束縛するつもりはありません」
「……へぇ」
ドロシーの言葉に、ルーシャンは興味深そうに声を上げる。その声を無視して、ドロシーは「リリー、お茶のおかわりをもらえる?」とリリーに視線を送っていた。
(それに、ルーシャン殿下も私と同じで束縛を嫌うタイプに見えるし)
リリーにお茶を淹れてもらいながら、ドロシーはそう思う。ルーシャンとドロシーは何処となく似ている。きっと、それ故に互いが気に入らないのだろう。世にいう同族嫌悪とかいう奴である。ルーシャンがドロシーのことをどう思っているのかは知らないが、ドロシーはルーシャンを好いていない。……初めの頃よりは、マシだが。
そのため、ドロシーはカップを元に戻してそう答えた。
ルーシャンがエイリーンに心を奪われようとも、それはドロシーからすれば関係のないことだ。離縁後に新しい婚姻をしてもおかしくはないし、ドロシーはルーシャンのことを束縛するつもりもない。束縛はするのもされるのも嫌いだ。
「ルーシャン殿下が私との離縁後に何をされようが、私には関係ありませんから」
「……本当に?」
「えぇ。私たちの関係は限定的なもの。その時期を過ぎれば、私たちは赤の他人です」
目を瞑って、ドロシーはそう言う。その言葉に嘘も偽りもない。本心と真実だけだ。ドロシーもルーシャンも、元は赤の他人。というか、夫婦とは元々赤の他人なのだ。離縁をすれば元の関係に戻るだけなのだ。
「それに、私は束縛が嫌いです。するのも、されるのも。なので、ルーシャン殿下を束縛するつもりはありません」
「……へぇ」
ドロシーの言葉に、ルーシャンは興味深そうに声を上げる。その声を無視して、ドロシーは「リリー、お茶のおかわりをもらえる?」とリリーに視線を送っていた。
(それに、ルーシャン殿下も私と同じで束縛を嫌うタイプに見えるし)
リリーにお茶を淹れてもらいながら、ドロシーはそう思う。ルーシャンとドロシーは何処となく似ている。きっと、それ故に互いが気に入らないのだろう。世にいう同族嫌悪とかいう奴である。ルーシャンがドロシーのことをどう思っているのかは知らないが、ドロシーはルーシャンを好いていない。……初めの頃よりは、マシだが。