【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
「じゃあ、ドロシー嬢も俺と離縁後は別の奴と婚姻するの?」
「いいえ、そのつもりは全く」
ルーシャンの素朴な問いかけに、ドロシーはそう言葉を返した。何度も言うようにドロシーは男性が大層苦手だ。それに、そこまで婚姻を重要視していない。
「私は離縁後は細々と生きていきます。ついでに言うのならば、この侯爵家は遠縁の親戚に継いでもらおうと思います」
「……ドロシー嬢は、それでいいの?」
「えぇ。だって、私貴族に向いていませんから」
ドロシーには夢がある。薬学を極め、ポーション作りで生計を立てたいのだ。そのためには、この侯爵家は言い方は悪いが邪魔なのだ。両親は悲しむだろうが、ドロシーが跡を継ぐ必要などこれっぽっちもない。優秀な親戚を次期当主に迎えれば、侯爵家も安泰だ。
「私、幼少期から自分が貴族の令嬢に向いていないことを、理解していましたから」
煌びやかな宝石。フリフリのドレス。女の子が夢見るおとぎ話。そんなものよりも、薬草の方が数百倍素敵だ。ずっと、そう思い続けてきた。
「私、薬学を極めます。……なので、ルーシャン殿下とは何が何でも離縁させていただきます」
ルーシャンのことをまっすぐに見つめて、ドロシーはそう宣言した。そうすれば、ルーシャンは「……俺は」と言って視線を下に向けた。その反応は、意外なものだった。ドロシーはルーシャンが「もちろん」と言うと思っていた。それ以外、言わないと思っていた。
なのに、今のルーシャンはどうだろうか。何処となく、返事を躊躇っているのではないだろうか。……意味が、分からなかった。
「いいえ、そのつもりは全く」
ルーシャンの素朴な問いかけに、ドロシーはそう言葉を返した。何度も言うようにドロシーは男性が大層苦手だ。それに、そこまで婚姻を重要視していない。
「私は離縁後は細々と生きていきます。ついでに言うのならば、この侯爵家は遠縁の親戚に継いでもらおうと思います」
「……ドロシー嬢は、それでいいの?」
「えぇ。だって、私貴族に向いていませんから」
ドロシーには夢がある。薬学を極め、ポーション作りで生計を立てたいのだ。そのためには、この侯爵家は言い方は悪いが邪魔なのだ。両親は悲しむだろうが、ドロシーが跡を継ぐ必要などこれっぽっちもない。優秀な親戚を次期当主に迎えれば、侯爵家も安泰だ。
「私、幼少期から自分が貴族の令嬢に向いていないことを、理解していましたから」
煌びやかな宝石。フリフリのドレス。女の子が夢見るおとぎ話。そんなものよりも、薬草の方が数百倍素敵だ。ずっと、そう思い続けてきた。
「私、薬学を極めます。……なので、ルーシャン殿下とは何が何でも離縁させていただきます」
ルーシャンのことをまっすぐに見つめて、ドロシーはそう宣言した。そうすれば、ルーシャンは「……俺は」と言って視線を下に向けた。その反応は、意外なものだった。ドロシーはルーシャンが「もちろん」と言うと思っていた。それ以外、言わないと思っていた。
なのに、今のルーシャンはどうだろうか。何処となく、返事を躊躇っているのではないだろうか。……意味が、分からなかった。