【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
(うん? 何故、立ち止まったのだ……?)
それから十分程度歩いた頃。不意にルーシャンの足が止まり、一つの場所を凝視しているように見えた。そこは、王城に作られた中庭だ。いつもと変わらぬ雰囲気を漂わせる中庭は、一流の庭師が管理していることもありいつも通り綺麗である。そう思いながら、ダニエルがルーシャンの視線の先を追えば……そこには、何故かドロシーがいた。
「……何故、まだいる」
ルーシャンのそんなつぶやきが耳に届き、ダニエルはルーシャンとの距離を縮める。何かがあれば、指示を受けるのが従者だ。すぐに指示が聞こえる距離にいた方がいろいろと便利だろう。
「これとこれももらって帰っちゃおっと。ふふっ、王妃様から中庭に立ち入る許可をいただけて良かったわ」
「お嬢様~。もうそろそろ帰りましょうよ。ドレスが土で汚れてしまいます……」
「あら、いいじゃない。どうせルーシャン殿下には今日も会えないのだもの」
中庭では、何やらしゃがみ込みドロシーが侍女とともに話し込んでいるようだ。そして、手元を忙しなく動かしている。だが、ここからでは何をしているかがよくわからない。そう思い、ダニエルが目を凝らして二人を見つめていると……不意に、ルーシャンが「気が変わった」とぼやいた気がした。
「……殿下?」
「ダニエル。明日、俺は妻に会う。あの女ならば……多分、面白いことをしてくれるから」
その言葉を聞いた瞬間、ダニエルの身体中に衝撃が走った。……今、ルーシャンはなんと言っただろうか。そう思って目をぱちぱちと瞬かせ……無意識のうちに自分の手の甲をつねってしまったのだ。
それから十分程度歩いた頃。不意にルーシャンの足が止まり、一つの場所を凝視しているように見えた。そこは、王城に作られた中庭だ。いつもと変わらぬ雰囲気を漂わせる中庭は、一流の庭師が管理していることもありいつも通り綺麗である。そう思いながら、ダニエルがルーシャンの視線の先を追えば……そこには、何故かドロシーがいた。
「……何故、まだいる」
ルーシャンのそんなつぶやきが耳に届き、ダニエルはルーシャンとの距離を縮める。何かがあれば、指示を受けるのが従者だ。すぐに指示が聞こえる距離にいた方がいろいろと便利だろう。
「これとこれももらって帰っちゃおっと。ふふっ、王妃様から中庭に立ち入る許可をいただけて良かったわ」
「お嬢様~。もうそろそろ帰りましょうよ。ドレスが土で汚れてしまいます……」
「あら、いいじゃない。どうせルーシャン殿下には今日も会えないのだもの」
中庭では、何やらしゃがみ込みドロシーが侍女とともに話し込んでいるようだ。そして、手元を忙しなく動かしている。だが、ここからでは何をしているかがよくわからない。そう思い、ダニエルが目を凝らして二人を見つめていると……不意に、ルーシャンが「気が変わった」とぼやいた気がした。
「……殿下?」
「ダニエル。明日、俺は妻に会う。あの女ならば……多分、面白いことをしてくれるから」
その言葉を聞いた瞬間、ダニエルの身体中に衝撃が走った。……今、ルーシャンはなんと言っただろうか。そう思って目をぱちぱちと瞬かせ……無意識のうちに自分の手の甲をつねってしまったのだ。