玉響の花雫 あなたにもう一度恋を 壱
早くて聞き取りにくかったけど、
筒井さんが返した言葉に心臓部分が
苦しくなる。
筒井さんがフランス語が話せることにも
驚いたけど、僕も会いたかったと
聞こえた事に、
立っているのもやっとで
頭の中が真っ白になってゆく
もしかして八木さんが言っていた
人ってこの人のことなの?
ずっと筒井さんの腕に触れ
嬉しそうに話す彼女を目の当たりにして今日ほどここの仕事が
嫌だと思ったことはない。
どんな状況でも
笑顔でいなければいけないことに、
公私混同がうまく出来てないと
気付かされてしまうから
4人がエレベーターホールへ
向かう間も軽く頭を下げて見送り
筒井さんの腕に手を絡めて歩く
イリスさんを後ろから眺めた
綺麗過ぎるくらい美しい人で、
並んで歩いてても違和感も感じない
くらいお似合いだ‥‥
大人の女性って
ああいう人のことを言うんだろうな‥
イリスさんは
10日間ここの営業部に滞在をして
業績の見直しや講義などもされる
みたいだから、ここにいる限り
毎日顔を合わすことになる。
『井崎さん表情気をつけて。』
「は、はい!すみません。」
いけない‥‥
しっかりしないと佐藤さんにも
迷惑がかかってしまうのに。
それからいつものように忙しく
一日が慌ただしく終わり、
このまま帰るのがツラいと思って
いたら、菖蒲がご飯に誘ってくれた。
『大丈夫?なんか顔色悪いけど。』
「そうかな‥‥ちょっと疲れたの
かもしれない。大丈夫だよ。」
本当は大丈夫じゃない。
2人が抱き合ってキスしていたことが
何度も思い出されてしまい、仕事も
ミスが多くて注意されてしまったから。
『もしかして支社から来た人のこと?』
ドクン
泣きたくないけど、目頭が熱くなり
泣きそうになってしまう
仕事だって分かってる。
筒井さんは大人だから、ちゃんと
対応されてるだけってわかるのに、
やっぱり私は悲しくなってしまう
10日‥‥
そしたらまた元通りになるから、
ツラいけど頑張らないと‥‥
2時間くらい菖蒲とご飯を食べてから
会社の前で別れると、
信号待ちをしていた目の前を
筒井さんの車が通り、
イリスさんが助手席に乗っているのを
見かけてしまった。
嘘‥‥‥
車のナンバーを確認したけど
やっぱり筒井さんの車だ‥‥
疑ってはダメ‥‥‥
仕事の延長かもしれないのだから。
そう思いたいのに、この次に助手席に
座るのが嫌になってしまう
こんな時間に何処に行くんだろう‥
我慢していたけど涙が溢れると、
誰にも見られないように下を向き
駅に向かって歩いた。
筒井さんが返した言葉に心臓部分が
苦しくなる。
筒井さんがフランス語が話せることにも
驚いたけど、僕も会いたかったと
聞こえた事に、
立っているのもやっとで
頭の中が真っ白になってゆく
もしかして八木さんが言っていた
人ってこの人のことなの?
ずっと筒井さんの腕に触れ
嬉しそうに話す彼女を目の当たりにして今日ほどここの仕事が
嫌だと思ったことはない。
どんな状況でも
笑顔でいなければいけないことに、
公私混同がうまく出来てないと
気付かされてしまうから
4人がエレベーターホールへ
向かう間も軽く頭を下げて見送り
筒井さんの腕に手を絡めて歩く
イリスさんを後ろから眺めた
綺麗過ぎるくらい美しい人で、
並んで歩いてても違和感も感じない
くらいお似合いだ‥‥
大人の女性って
ああいう人のことを言うんだろうな‥
イリスさんは
10日間ここの営業部に滞在をして
業績の見直しや講義などもされる
みたいだから、ここにいる限り
毎日顔を合わすことになる。
『井崎さん表情気をつけて。』
「は、はい!すみません。」
いけない‥‥
しっかりしないと佐藤さんにも
迷惑がかかってしまうのに。
それからいつものように忙しく
一日が慌ただしく終わり、
このまま帰るのがツラいと思って
いたら、菖蒲がご飯に誘ってくれた。
『大丈夫?なんか顔色悪いけど。』
「そうかな‥‥ちょっと疲れたの
かもしれない。大丈夫だよ。」
本当は大丈夫じゃない。
2人が抱き合ってキスしていたことが
何度も思い出されてしまい、仕事も
ミスが多くて注意されてしまったから。
『もしかして支社から来た人のこと?』
ドクン
泣きたくないけど、目頭が熱くなり
泣きそうになってしまう
仕事だって分かってる。
筒井さんは大人だから、ちゃんと
対応されてるだけってわかるのに、
やっぱり私は悲しくなってしまう
10日‥‥
そしたらまた元通りになるから、
ツラいけど頑張らないと‥‥
2時間くらい菖蒲とご飯を食べてから
会社の前で別れると、
信号待ちをしていた目の前を
筒井さんの車が通り、
イリスさんが助手席に乗っているのを
見かけてしまった。
嘘‥‥‥
車のナンバーを確認したけど
やっぱり筒井さんの車だ‥‥
疑ってはダメ‥‥‥
仕事の延長かもしれないのだから。
そう思いたいのに、この次に助手席に
座るのが嫌になってしまう
こんな時間に何処に行くんだろう‥
我慢していたけど涙が溢れると、
誰にも見られないように下を向き
駅に向かって歩いた。