玉響の花雫 あなたにもう一度恋を 壱
側にいたいと言ってくれた
筒井さんを信じたいのに
色々が重なって悪い方に考えてしまう
その日は早めにベッドに入ったのに、
なかなか寝付けず朝を迎えてしまい、
うっすら浮かぶ目の下のクマを
コンシーラーで丁寧に隠した。
郵便物を届ける際や食堂で
時々イリスさんを見かけると
やっぱり綺麗な人だから
みんな注目して見ていた
品のある立ち居振る舞いや仕草に
女性らしさも感じる。
筒井さんより
歳上だと後で分かったけど、
仕事ができる方なので、すぐに
社内はイリスさんの噂で毎日
その名前を聞かない日がないほどだった
『霞?』
「あ、ううん何でもない‥‥
そろそろ戻るね。」
お弁当をしまうと、食堂から出て
エレベーターホールに向かうと、
偶然イリスさんもそこへ見えたので
お辞儀をしてから一緒に乗り込み、
7階に用事があったので、降りる時に
挨拶をしてからお辞儀をした
古平さんに呼ばれていたから、
早めに食事を終わらせついでに
寄ることにしたのだ。
なかなか受付になってからは
会えないから元気もらえるし
久しぶりで嬉しいな‥‥
「お疲れ様です。
古平さん何かご用でしたか?」
相変わらず仕事が忙しそうで、
デスクの上の書類の山や、
パソコンに沢山貼られた付箋に
声をかけるのも躊躇ってしまう
『井崎さんお疲れ様!
ちょっと待ってね。』
「はい、構いません。」
時間に追われてバタバタしている
総務内の雰囲気も嫌いではないけど
本当にみんな忙しそう‥‥
『霞ちゃん、ひ、さ、し、ぶ、り!』
ぼーっと眺めていると、後ろから
抱き付かれた感覚に、バタバタと
してみるものの、逆効果でギューっと
抱きつかれてしまう
「は、蓮見さん!!
やめてくださいって」
『なんでー?受付の制服って
可愛いよね。霞ちゃん細くて
スタイルいいからよく似合ってる。』
「ありがとうございます!
でも離れてくださいって!」
なんとか腕を振りきって
振り向くと筒井さんと目が合ってしまい
喜ぶのも束の間、後から来たイリス
さんが筒井さんに耳打ちするように
顔を寄せて何かを話していた
『ん?どうした?急に黙って‥‥』
「あ、いえ‥なんでもないです。」
前だったら蓮見さんに離れろって
言ってくれたのにな‥‥
『井崎さんお待たせ。ごめん、
至急地下に行って発注を
頼まれて欲しいんだけど、
大丈夫?今日中で構わないから。
バタバタして行けそうになくて
申し訳ない。』
「大丈夫です。
まだ時間あるので寄ってから
戻っても余裕ありますから。」
これ以上2人が仲良くしてるのを
見るのがツラくて、古平さんの元へ
駆け寄り、発注用紙を受け取り、
まだフロアの入り口で
笑いながら話す2人を避けるように
俯いて前を通ると足早にそこを
後にした。
筒井さんを信じたいのに
色々が重なって悪い方に考えてしまう
その日は早めにベッドに入ったのに、
なかなか寝付けず朝を迎えてしまい、
うっすら浮かぶ目の下のクマを
コンシーラーで丁寧に隠した。
郵便物を届ける際や食堂で
時々イリスさんを見かけると
やっぱり綺麗な人だから
みんな注目して見ていた
品のある立ち居振る舞いや仕草に
女性らしさも感じる。
筒井さんより
歳上だと後で分かったけど、
仕事ができる方なので、すぐに
社内はイリスさんの噂で毎日
その名前を聞かない日がないほどだった
『霞?』
「あ、ううん何でもない‥‥
そろそろ戻るね。」
お弁当をしまうと、食堂から出て
エレベーターホールに向かうと、
偶然イリスさんもそこへ見えたので
お辞儀をしてから一緒に乗り込み、
7階に用事があったので、降りる時に
挨拶をしてからお辞儀をした
古平さんに呼ばれていたから、
早めに食事を終わらせついでに
寄ることにしたのだ。
なかなか受付になってからは
会えないから元気もらえるし
久しぶりで嬉しいな‥‥
「お疲れ様です。
古平さん何かご用でしたか?」
相変わらず仕事が忙しそうで、
デスクの上の書類の山や、
パソコンに沢山貼られた付箋に
声をかけるのも躊躇ってしまう
『井崎さんお疲れ様!
ちょっと待ってね。』
「はい、構いません。」
時間に追われてバタバタしている
総務内の雰囲気も嫌いではないけど
本当にみんな忙しそう‥‥
『霞ちゃん、ひ、さ、し、ぶ、り!』
ぼーっと眺めていると、後ろから
抱き付かれた感覚に、バタバタと
してみるものの、逆効果でギューっと
抱きつかれてしまう
「は、蓮見さん!!
やめてくださいって」
『なんでー?受付の制服って
可愛いよね。霞ちゃん細くて
スタイルいいからよく似合ってる。』
「ありがとうございます!
でも離れてくださいって!」
なんとか腕を振りきって
振り向くと筒井さんと目が合ってしまい
喜ぶのも束の間、後から来たイリス
さんが筒井さんに耳打ちするように
顔を寄せて何かを話していた
『ん?どうした?急に黙って‥‥』
「あ、いえ‥なんでもないです。」
前だったら蓮見さんに離れろって
言ってくれたのにな‥‥
『井崎さんお待たせ。ごめん、
至急地下に行って発注を
頼まれて欲しいんだけど、
大丈夫?今日中で構わないから。
バタバタして行けそうになくて
申し訳ない。』
「大丈夫です。
まだ時間あるので寄ってから
戻っても余裕ありますから。」
これ以上2人が仲良くしてるのを
見るのがツラくて、古平さんの元へ
駆け寄り、発注用紙を受け取り、
まだフロアの入り口で
笑いながら話す2人を避けるように
俯いて前を通ると足早にそこを
後にした。