玉響の花雫 あなたにもう一度恋を 壱
お水をゴクゴク飲み終えると、
コーヒー豆のいい香りが漂い、
ソファで言われた通りに大人しく
待つ事にした。
『はい、熱いから気をつけて』
「ありがとうございます。」
可愛いロイヤルブルーのマグカップに
注がれた珈琲の香りを嗅いだ後
冷ましながら一口口に含んだ。
「‥‥やっぱり苦いです。」
ガトーショコラを食べながら
美味しそうに珈琲を飲む姿を
見られているとは知らず
視線に気付いた時には恥ずかしくて
顔が熱くなってしまった
なんかさっきまであんなことしてたのに
呑気にケーキ食べてるって
私って本当にどうなんだろう‥‥
これじゃあ本当に色気より食い気だ。
筒井さんも私が買ったチョコレートを
口に含むと私の真似をして珈琲を飲んだ
「あの‥‥イリスさんが
筒井さんのことをアキラって
呼んでたのは何故ですか?」
筒井さんは滉一なのに、
最初からずっとアキラって呼んでいた。
『一年目のときに漢字を覚えたいと
言って、みんなの名前をイリス的に
調べたら、滉一の滉がアキラと
読めるのを知って、それからアキラ
だったんじゃないか?』
「確かにそう読めますもんね。」
イングリッシュネーム的なものかと
思ったけど、全然違ってて面白い
また来年も会えるかな‥‥
そしたら今度は私から挨拶したいから
『霞の名前の由来は?』
ドクン
いつも井崎さんとか、お前って言うから
さっき一度だけ呼ばれた名前のことを
思い出して一気に顔が熱くなる
『どうした?‥‥‥フッ。
何思い出してるんだか。』
「えっ?ち、違います!!
名前は5月産まれっていうことも
あるんですが、5年前に
亡くなった父が、
私が産まれた日に病院に持って来た
お花が霞草だったみたいで、
そこから名付けたって
母が言ってました。霞草の
花言葉が感謝や幸福みたいで、
出産を頑張った母への気持ちだったんじゃないかって思ってます。」
アルバムに沢山の霞草が飾られた
病室での3人で映ったものが
あったと思う
筒井さんが、私が座るソファの背に
入って座ると、足の間に私を閉じ込め
後ろから抱き締めた
『いい名前だな。
お前によく似合ってるよ。』
「ふふ‥ありがとうございます。」
美味しい珈琲とケーキを食べた後
急に眠気がやってきて、歯を磨いたあと
筒井さんとベッドルームにやってくると、横になった途端ウトウトとしてきた
『目がトロントロンだな‥‥
おやすみ、いい子だ‥‥』
久しぶりに聞いたいい子という言葉を
聞いたら目を閉じた途端温もりを
感じ朝まで一度も起きることなく
ぐっすり眠った
コーヒー豆のいい香りが漂い、
ソファで言われた通りに大人しく
待つ事にした。
『はい、熱いから気をつけて』
「ありがとうございます。」
可愛いロイヤルブルーのマグカップに
注がれた珈琲の香りを嗅いだ後
冷ましながら一口口に含んだ。
「‥‥やっぱり苦いです。」
ガトーショコラを食べながら
美味しそうに珈琲を飲む姿を
見られているとは知らず
視線に気付いた時には恥ずかしくて
顔が熱くなってしまった
なんかさっきまであんなことしてたのに
呑気にケーキ食べてるって
私って本当にどうなんだろう‥‥
これじゃあ本当に色気より食い気だ。
筒井さんも私が買ったチョコレートを
口に含むと私の真似をして珈琲を飲んだ
「あの‥‥イリスさんが
筒井さんのことをアキラって
呼んでたのは何故ですか?」
筒井さんは滉一なのに、
最初からずっとアキラって呼んでいた。
『一年目のときに漢字を覚えたいと
言って、みんなの名前をイリス的に
調べたら、滉一の滉がアキラと
読めるのを知って、それからアキラ
だったんじゃないか?』
「確かにそう読めますもんね。」
イングリッシュネーム的なものかと
思ったけど、全然違ってて面白い
また来年も会えるかな‥‥
そしたら今度は私から挨拶したいから
『霞の名前の由来は?』
ドクン
いつも井崎さんとか、お前って言うから
さっき一度だけ呼ばれた名前のことを
思い出して一気に顔が熱くなる
『どうした?‥‥‥フッ。
何思い出してるんだか。』
「えっ?ち、違います!!
名前は5月産まれっていうことも
あるんですが、5年前に
亡くなった父が、
私が産まれた日に病院に持って来た
お花が霞草だったみたいで、
そこから名付けたって
母が言ってました。霞草の
花言葉が感謝や幸福みたいで、
出産を頑張った母への気持ちだったんじゃないかって思ってます。」
アルバムに沢山の霞草が飾られた
病室での3人で映ったものが
あったと思う
筒井さんが、私が座るソファの背に
入って座ると、足の間に私を閉じ込め
後ろから抱き締めた
『いい名前だな。
お前によく似合ってるよ。』
「ふふ‥ありがとうございます。」
美味しい珈琲とケーキを食べた後
急に眠気がやってきて、歯を磨いたあと
筒井さんとベッドルームにやってくると、横になった途端ウトウトとしてきた
『目がトロントロンだな‥‥
おやすみ、いい子だ‥‥』
久しぶりに聞いたいい子という言葉を
聞いたら目を閉じた途端温もりを
感じ朝まで一度も起きることなく
ぐっすり眠った