玉響の花雫       あなたにもう一度恋を 壱
お前には言えないって言われたら
仕方ないけれど、あれだけ私のために
色々動いて考えてくれているのに、
黙って隣にいるだけなんて嫌だ


『ありがとう‥‥お前がいてくれて
 良かったよ。』


えっ?


見上げた先に少しだけ悲しそうに
笑う筒井さんが、私の顎に指を添えると
ゆっくりと唇にキスをした。


「ンッ‥‥‥ンン‥」


何度も啄むように触れては離れる
キスに、筒井さんが体を少し起こすと、
私の右手に左手を絡め深いキスを
落としてきたのだ


どうしよう‥‥
苦しいけど力が抜けてとろけていく‥


舌を絡められ何度も角度を変えて
続けられ、チュッと音を立てて
唇が離れると、ボヤッとした視界に
筒井さんの綺麗な顔が見えた


『霞‥抱いてもいいか?』

トクン‥


あれからキスをして眠ることは
あったけど、体を重ねるのは2度目で
名前を呼ばれただけなのに、
一気に顔が熱くなってゆく


『フッ‥。また茹蛸?』


恥ずかしくて両手で顔を覆いながらも
小さく頷くと、すぐに手を捉えられ
また深いキスを落とされる


カットソーが脱がされ、
キスをされながら下着も取られると
胸を鷲掴みされたあとまた先端に
甘い痺れを感じ、手の甲で
口を押さえた


「アッ!‥‥ヤッ‥筒井さ‥‥ん‥
 待って‥‥アン‥ンンッ!!」


敏感な部分を何度も責められ、
体をよじり逃げようとしても、
また捉えられ、恥ずかしくて
瞳から涙が溢れていくと、
もう一度深いキスを絡められ
筒井さんを感じた


『もう少し深くまでお前を
 感じたい‥‥』  


えっ?


「アッ!‥‥嘘‥‥ンンッ!!」


その夜は1度目よりも長く激しく
抱かれ、私は意識を飛ばしてしまったのか、気が付いたら次の日の朝だった


いつの間に眠ってしまったんだろう‥
眠かったからそのまま寝てしまった?


脱がされたはずの服も着ていて、
筒井さんはもう起きているのか
隣にいなかった


ドスン


「えっ?痛っ!!」


前回よりもさらに立てない足に、
またベッドから落ちてしまう


昨日はあんなに激しかったからか
下半身が怠くてなんだか重い‥‥


色々恥ずかしい体制で抱かれたことを
思い出すとまた顔が一気に熱くなる


ガチャ


「あっ‥‥おはようございます。」


『フッ‥‥。おはよう。』


床にペタンと座ったままの私を見て
また近寄ると抱き抱えてベッドに
寝かせてくれた。


『大丈夫か?』


「は、はい。すみません。」


『昨日はまた無理させたからな。
 ゆっくり起きておいで。』


おでこに唇を軽く触れさせると
筒井さんはランニングに行ってくると
いい、部屋を出て行った。
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