玉響の花雫       あなたにもう一度恋を 壱
毎回こんなんで、私大丈夫かな‥‥


筒井さんは全然余裕でランニングに
行くなんて‥‥


私も体づくりしないとダメだ。
総務課と違って受付は立つか座るか
だから運動不足な気がする。


早起きして私も30分でもランニング
やろう。


ベッドの上で足を伸ばしたり
ストレッチをしてから今度は
ゆっくり足をおろすと、ぎこちなさは
残るけど歩けたので、洗顔をしたあと
着替えて簡単に朝ごはんを作った


ガチャガチャ


「おかえりなさい。」


『ただいま。
 フッ‥‥おかえりなさい‥か。』


「あっ‥‥‥え、えっと‥すみません。
 筒井さんの家なのにその‥‥。」


自然と出てしまった言葉に、
自分の家でもないのに、この言葉を
使ってしまい申し訳なくなる


『いや‥‥いい言葉だなって
 思っただけだ。シャワー浴びてくる』


筒井さん‥‥


どこか寂しそうな表情で笑うと、
私の頬に手を触れさせて撫でると
ミネラルウォーターを飲みながら
浴室に行ってしまった。


朝ごはんを食べた後、
筒井さんが家まで送ってくれ、
掃除をした後、久しぶりに
買い物に出掛けることにした。


旅行用の服もだけど、仕事用の
服も何着か欲しかったのだ。


蓮見さんは雪はまだ降らないけど、
標高が高いから朝晩は勿論だけど
昼間も寒い日があるからって
言ってたよね‥‥


冬物もついでに見よう。
あとは別荘で筒井さんと一緒に
星空を見ながらまたチョコレートを
食べたいからパティスリーにも
寄らないと。


またこんなに買い込んだ私を見たら
学習能力がないなんて叱られそう‥


でも、自分で働いたお金で
好きなものを購入できる時間が
1番楽しいし、また欲しいものや
行きたい場所の為に働けるから
いいのだ。


次の週、10月に入ったこともあり、
制服が冬用に変わった。


春夏用のネイビーのワンピースタイプの
制服も好きだけど、冬用はまた全く
違ってこれも素敵なデザインだ。


首にスカーフを巻くのは同じだけど、
冬用はパンツスーツで記事がウールと
ツイードが混ざったような品のある
制作で大人っぽい


明るめのグレーのスーツに、
白いブラウスを合わせるか
白のカットソーか選べるみたいだ


『井崎さんって背が高いから
 パンツスーツも似合うよね?
 羨ましい。』


「そうですか?ありがとうございます。
 佐藤さんは美人なのでなんでも
 お似合いですよ。」


165cmの私に対し小さめの佐藤さん
だけど、可愛らしくて女性らしくて
品もあるから羨ましい


ヒールを履くと170cm近くに
なるから可愛げはないもん‥‥


筒井さんが180センチ以上は余裕で
あるからありがたいけど、
なるべく普段はヒールは履かないように
してるのだ
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