玉響の花雫       あなたにもう一度恋を 壱
シャワーを浴びてから着替え、
みんなが帰ってくる前に昼食を
作ることにした。


「今回もお庭で食べますか?」


『うん、天気がいいし、
 夜も焚き火したりしながら
 外で食べる予定。お昼は
 炊き込みご飯と豚汁作るよ!』


「うわ!いいですね。
 あったまりそうです。」


炭を手際よく並べて火をおこして
くれてるうちに、私は大きめのホーロー
鍋にといたお米を入れて出汁に浸し、
そこに舞茸などのキノコ類や根菜を
入れて古平さんの元に持って行った


『ありがとう、井崎さん手際が
 いいから助かるよ。私1人だと
 まだ?お腹空いた?なんて
 大男たちが騒いでしかたないからさ』


ふふ‥‥想像してしまうと
おかしくて笑ってしまう


本当に3人ともものすごく食べるのに
太ってないしスタイルがいいから
不思議なんだよね‥‥



キッチンに戻り豚汁の具材を切ってから
鍋に入れ、これも古平さんが網の上に
置いてくれた。


炭のいい香りが食材にもうつって
絶対美味しくなる気がする。


2人でまた先に一杯飲みながら
デッキで色々話していると、
3人が坂を登って来て同じように
芝生に倒れるようにして寝転んだ


『帰って来たね。井崎さん
 いつものヤツ持って行ってくれる?』


「はい、そうします。」


冷蔵庫に向かい冷えたビールを取り出すと、振らないようにそっと抱え
持っていくことにした。


『お疲れ様です。どうぞ。』


『井崎さんありがとう。』
『霞ちゃん気が利くね。』


「筒井さんもどうぞ。」


『サンキュ‥‥』


起き上がって手をついたまま
空を見上げていた筒井さんに
ビールを差し出すと、嬉しそうに
受け取り、タップを開けると
ゴクゴクと喉に流し込んだ


『はぁ‥‥最高だな』


3人が美味しそうに飲むのを
見届けてから、立ちあがろうとしたら
筒井さんに腕を引っ張られそこに
一緒に座らされた


『あら、亮さん見て?
 僕たちいるのにお構いなしって
 感じじゃない?』


『拓巳やめろって‥‥ほら
 シャワー行くぞ。』


『ええー?いいとこなのに?』


蓮見さんが、
飲みながら亮さんに引っ張られる
ようにして家の中に連れてかれて
しまったあと、腕を掴んだままの
筒井さんがサングラスをおでこにあげて
私を見て来た


『次はお前と一緒に走れるといいな』


筒井さん‥‥‥


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