玉響の花雫       あなたにもう一度恋を 壱
腕を引き寄せられると、
筒井さんの足の間に座らされ、
持ってきていた大きめの毛布で
包みくるまれると温かさに包まれた


「‥‥恥ずかしいです。」


『なにが?』


何がって‥‥
カーテンの向こうでみんな寝てるのに
こんなくっついて座るなんて‥‥


やっぱり今日の筒井さん‥
なんかいつもと違う気がしてしまう‥


『少し寝た方がいい。
 アイツらといると夜が長いからな。』


「でも私がここにいたら筒井さんが
 寝れませんよ?」


広めのガーデンベッドだから
2人で寝そべっても余裕と言えば
余裕だけど、疲れが取れなさそう‥


『気にしなくていい。』



えっ?



腰に回された腕に少し強く
抱き締められると、筒井さんが
瞳を閉じたので、私も筒井さんの
手に両手を重ねると、毛布に
顔を埋めて瞳を閉じた。


カシャ


ん?

『シーっ!起きちゃうだろ?』


カシャ カシャ


遠くで聞こえる機械音に
いつのまにかぐっすり寝てしまっていたのか瞳を開けると、外が薄暗く
なり始めていた。


うわ‥‥今何時だろう

少し眠るはずが、お酒も飲んだし
温かくて結構寝てしまったのかも‥


「筒井さん‥‥すみません‥
 私寝てしまって‥‥って
 は、蓮見さん!!!?」


なんか視線を感じるな、なんて思えば
真横から動画を撮っていたのか、
スマホをかざしてニヤニヤしている
蓮見さんと目が合った


えっ?
やだ‥‥いつから?


「つ、筒井さん、起きてください!
 蓮見さんがみ、見てるから。」


『放っておけ。
 幼稚園児のやることなんか』


「だ、駄目ですって。
 何言ってるんですか?」


寝ぼけてるのか本当にどうでもいいのか
お腹に回された腕を離して貰えず
1人でバタバタしていると、
亮さんと古平さんにも見られていて
顔が沸騰しそうなほど赤くなった



『なんか筒井さんのああいうところ
 なかなか見れないから新鮮で
 面白いよ?』


夕飯のバーベキューを
食べ終わり片付けをしながら
古平さんと洗い物をしていると
笑いながらそう言われ、また
顔が熱くなってしまう


みんな何も言わなかったけど、
とっくにそんなのバレてるしって
言われ、恥ずかしくて逃げたくなった。


「古平さんはその、お付き合い
 されてる方とかいないんですか?」


綺麗でサバサバしてて性格もいい
人だけど、こんな男の中に混じって
来ていて恋人は嫌がらないのかな?


『前はいたんだけど、今は仕事が
 恋人よ。それにこの人たちみたいな
 異性と過ごしてると
 満足しちゃうじゃない?
 容姿端麗、スポーツも出来て
 ノリもいいしね。』


確かにこの3人のスペックは
高いから、満足してしまうのは
納得かも‥‥


『誘ってもらえるし、結果楽しいから
 気楽なんだよね。先輩だけど。』
< 131 / 141 >

この作品をシェア

pagetop