玉響の花雫 あなたにもう一度恋を 壱
「分かりませんよ?
筒井さんには追い付けませんけど、
それなりにいい大人に
なる予定ですから。」
『フッ‥それは楽しみだな‥‥‥でも、
お前のいいところは素直で
優しいところだからな?』
「えっ?‥ンッ‥‥筒井さ‥‥
待って‥‥‥アッ‥ンッ‥‥‥」
服の裾から滑り込んで来た手が、
私の胸を掴み指が先端に触れると、
首筋を舌が這いビクッと体が震える
『‥‥‥いい子。』
顔が一気に熱くなり涙目になる
のを見て笑うともう一度ベッドに
倒され深いキスをされていく
待ってろって言ってくれない‥‥
でも楽しみにしてくれるんだ‥‥
それだけで喜ぶなんてバカだな私‥
連れて行って‥‥
本当は離れたくないって言ったら
困らせることが分かってるから
筒井さんが行くと決めたことを
受け入れらしかない。
「筒井さ‥‥‥っ」
さっきあんなにもしたのに、
また筒井さんの熱に溺れ、
激しい律動に頭の芯まで震えた。
この時間を忘れないように‥‥
『筒井さんが旅立つのって明日?』
「うん‥‥」
『そっか‥‥。仕事だから
お見送りは行けないし、
今日の夜に会うの?』
別荘から戻るとすぐに
筒井さんの辞令が発表され
社内は暫くその話でもちきりだった。
栄転なんてすごいことだと思うけど、
人事の主任として仕事を完璧にこなして来たがゆえに、穴埋めが大変だと
古平さんは言っていたのだ
先週、蓮見さんや亮さんと
マンションに集まり3人で
飲み明かしたみたいだし、
マンションを空けてる間の掃除も
頼んだらしい。
「行かないよ。もうちゃんと
筒井さんと話はできてるから
大丈夫。心配いらないよ。」
『霞‥‥』
あの星空の下で伝えた思い以上の
言葉は今は浮かばない‥‥
お昼休憩を終えた私は、
午後も対応を丁寧に終え、
定時を迎えた後も入力をしていた。
よし‥‥
そろそろ上がろうかな‥。
『お疲れ様です。』
「‥‥‥筒井さん」
『フッ‥‥。なんて顔してるんだ?』
スーツ姿を見られるのも
今日で最後かもしれない‥‥
そう思うと、目頭が熱くなる。
「どうされたんですか?
ビックリしました‥‥。」
『お前の働いてる姿をちゃんと
見ておきたくてな。』
おんなじ事を考えていて嬉しく
なり少しだけ笑ってしまった
『送るからご飯に行かないか?』
「はい。嬉しいです。」
もう会えないと思っていたから、
旅立つ前日の忙しい時間に
会いに来てくれて素直に返事をした
筒井さんの車に乗り、
横顔を見ていたら伸びて来た手が
頬に触れてから頭を撫でてくれる
『寒いからあったかい物でも
食べに行こう。』
筒井さんと日本食を食べたくて、
前回行った個室の料亭に行き、
コースに鶏鍋もつけて沢山
美味しい物を食べた。
また次も来る時は、
筒井さんとがいいな‥‥
「美味しかったですね。」
『そうだな‥‥』
家まで着いてしまうのが
やっぱり寂しくなってきた。
分かってたのに、最後にこんな
楽しく過ごしてしまうと、
別れがツラい。
それでも無情にも車がマンションに
到着すると、シートベルトを外して
筒井さんに思い切り抱きついた。
筒井さん‥‥筒井さん‥‥
『ありがとう。‥‥‥行ってくる』
「はい‥‥‥お元気で。
私は大丈夫ですから。」
最後は絶対泣きたくなかった。
そうじゃないと、向こうで私のことを
思い出して貰えた時に泣いた顔に
なってしまうのが嫌だったから。
『フッ‥‥‥お前の大丈夫が
1番大丈夫じゃない‥』
引き寄せられ唇が塞がれると、
すぐに離れてしまい、
鼻を思いっきり摘まれた
「痛っ!!!」
『ハハッ‥‥茹蛸?』
2人で笑い合いもう一度抱き合う。
何年後になるか分からないけど、
またいつか会えたらこうして
笑って抱き合いたい‥‥
筒井さん‥‥
あなたの事を遠くから想っています‥
第一部 完
玉響の花霞へ続く
筒井さんには追い付けませんけど、
それなりにいい大人に
なる予定ですから。」
『フッ‥それは楽しみだな‥‥‥でも、
お前のいいところは素直で
優しいところだからな?』
「えっ?‥ンッ‥‥筒井さ‥‥
待って‥‥‥アッ‥ンッ‥‥‥」
服の裾から滑り込んで来た手が、
私の胸を掴み指が先端に触れると、
首筋を舌が這いビクッと体が震える
『‥‥‥いい子。』
顔が一気に熱くなり涙目になる
のを見て笑うともう一度ベッドに
倒され深いキスをされていく
待ってろって言ってくれない‥‥
でも楽しみにしてくれるんだ‥‥
それだけで喜ぶなんてバカだな私‥
連れて行って‥‥
本当は離れたくないって言ったら
困らせることが分かってるから
筒井さんが行くと決めたことを
受け入れらしかない。
「筒井さ‥‥‥っ」
さっきあんなにもしたのに、
また筒井さんの熱に溺れ、
激しい律動に頭の芯まで震えた。
この時間を忘れないように‥‥
『筒井さんが旅立つのって明日?』
「うん‥‥」
『そっか‥‥。仕事だから
お見送りは行けないし、
今日の夜に会うの?』
別荘から戻るとすぐに
筒井さんの辞令が発表され
社内は暫くその話でもちきりだった。
栄転なんてすごいことだと思うけど、
人事の主任として仕事を完璧にこなして来たがゆえに、穴埋めが大変だと
古平さんは言っていたのだ
先週、蓮見さんや亮さんと
マンションに集まり3人で
飲み明かしたみたいだし、
マンションを空けてる間の掃除も
頼んだらしい。
「行かないよ。もうちゃんと
筒井さんと話はできてるから
大丈夫。心配いらないよ。」
『霞‥‥』
あの星空の下で伝えた思い以上の
言葉は今は浮かばない‥‥
お昼休憩を終えた私は、
午後も対応を丁寧に終え、
定時を迎えた後も入力をしていた。
よし‥‥
そろそろ上がろうかな‥。
『お疲れ様です。』
「‥‥‥筒井さん」
『フッ‥‥。なんて顔してるんだ?』
スーツ姿を見られるのも
今日で最後かもしれない‥‥
そう思うと、目頭が熱くなる。
「どうされたんですか?
ビックリしました‥‥。」
『お前の働いてる姿をちゃんと
見ておきたくてな。』
おんなじ事を考えていて嬉しく
なり少しだけ笑ってしまった
『送るからご飯に行かないか?』
「はい。嬉しいです。」
もう会えないと思っていたから、
旅立つ前日の忙しい時間に
会いに来てくれて素直に返事をした
筒井さんの車に乗り、
横顔を見ていたら伸びて来た手が
頬に触れてから頭を撫でてくれる
『寒いからあったかい物でも
食べに行こう。』
筒井さんと日本食を食べたくて、
前回行った個室の料亭に行き、
コースに鶏鍋もつけて沢山
美味しい物を食べた。
また次も来る時は、
筒井さんとがいいな‥‥
「美味しかったですね。」
『そうだな‥‥』
家まで着いてしまうのが
やっぱり寂しくなってきた。
分かってたのに、最後にこんな
楽しく過ごしてしまうと、
別れがツラい。
それでも無情にも車がマンションに
到着すると、シートベルトを外して
筒井さんに思い切り抱きついた。
筒井さん‥‥筒井さん‥‥
『ありがとう。‥‥‥行ってくる』
「はい‥‥‥お元気で。
私は大丈夫ですから。」
最後は絶対泣きたくなかった。
そうじゃないと、向こうで私のことを
思い出して貰えた時に泣いた顔に
なってしまうのが嫌だったから。
『フッ‥‥‥お前の大丈夫が
1番大丈夫じゃない‥』
引き寄せられ唇が塞がれると、
すぐに離れてしまい、
鼻を思いっきり摘まれた
「痛っ!!!」
『ハハッ‥‥茹蛸?』
2人で笑い合いもう一度抱き合う。
何年後になるか分からないけど、
またいつか会えたらこうして
笑って抱き合いたい‥‥
筒井さん‥‥
あなたの事を遠くから想っています‥
第一部 完
玉響の花霞へ続く