玉響の花雫       あなたにもう一度恋を 壱
3日の日は空いてるか?って
聞かれたから頷いたのに、
泊まりなんて聞いてない!!


急遽そうなったのか決まってたのか
分からないけど、時計を見てから、
私は慌てて街に買い物に出かけた



服や下着を始め靴下とか色々買い、
化粧品の旅行用のボトルとか、とにかく
色々を短時間で揃えてから帰宅をし、
慌てて準備をしていく。


何が必要なのか書い忘れたものが
ないか分からず焦っていた時に
着信音が鳴り画面に見た
筒井さんの名前に
慌てて電話に出たのだ


「もしもし、痛っ!井崎です。」


『こんばんは。フッ‥‥大丈夫か?』


慌てて出た時に、畳んだばかりの
服に足を取られてテーブルの角で
膝を強打したのが聞こえたのか
笑われてしまう


耳に届く筒井さんの声に、それだけで
顔が熱くなり、ソファに顔を突っ伏した


『おい、聞いてるのか?』



「は、はい!き、聞いてます。」


『メール返信がなかったから、
 確認のために
 電話したけど明日行けそうか?』


返信?
ああっ!!頭がパニックになって
返すのをすっかり忘れて
準備にあけくれていた


「すみませんっ‥‥あの買い物してて
 今慌てて準備してます。一泊なんて
 知らなかったので買い物が
 大変で‥‥。」


あっ、しまった‥‥
これじゃ浮かれて旅行用の買い物を
沢山したんですって
思われてしまいそうだ


『呼んでくれたら車出したのに。
 次からは連絡をしろ。』


えっ?


『修学旅行前に興奮して寝れなくて
 寝不足になるパターンに
 ならないように今日は早めに寝ろ。
 明日は夜が長いからな?
 それじゃ明日着いたら電話する。
 おやすみ』


「あ、はい、おやすみなさい‥‥」


通話ボタンを切ると
またソファにそのまま顔を突っ伏した


筒井さんの声が頭の中で何度もリピート
されていき、顔から火が出そうなほど
熱を持ち熱くなっていく


こんな一つひとつにいちいち
舞い上がってら時が
家で本当に良かったと思う


明日から
2日間平常心を保てるだろうか‥


興奮して寝るのが遅くなると、
明日言われた通りの寝不足に
呆れられるといけないので、準備を
終えた後肌のお手入れだけして
早めに眠りについた。


次の日、8時少し前に着信が鳴り
下で待ってるという筒井さんの元に
荷物を持って急いで向かった。


『おはよう‥フッ‥すごい荷物だな?』


マンション入り口付近に車を停めて
タバコを吸う筒井さんの隣に
見たことがない
男性が一緒に立っていた。


「あ、お、おはようございます。」


走ってきたから、
片手で髪の毛が乱れてないか
手直ししながら2人に向かって
お辞儀をした


『おはよう。初めまして
 仲崎 亮(なかざき りょう)です。
 よろしく。』
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