玉響の花雫       あなたにもう一度恋を 壱
日曜日に明日の朝、病院に寄ってから
出勤しますと蓮見さんに
メールで連絡すると、
診断書と通院明細を持ってくるようにと
連絡が来た。


診断書は金曜日の日に
書いてもらったけど、通院明細って
この診療報酬明細書でいいのかな‥


あまり病気になったことがないから
その辺がよく分からないでいる。


制服の上に薄手の黒のカーディガンなら
羽織っていいと言われたので、
なんとか明日から受付に立てそうで
ホッとした。


八木さんのことは、筒井さんは
心配いらないって言ってくれたけど、
懲罰委員会だけは私がしないで
欲しいとお願いしたのだ。


『お前はそれでいいのか?』


って聞かれた時は、確かにこんな痛い
思いやツラい思いをしたから気にして
ないとも言えなかったけど、
筒井さんの目を見てちゃんと伝えた。


誰かを傷付けたいとか陥れたいとか
そんなこと一度も思った事は
ないけど、八木さんがこういうことを
した理由は知りたいとは思うけど‥


プルルルル 


ビクッ!!


手に持っていたスマホが大きな音で
鳴り響き驚き床に落としてしまい
慌てて拾うと筒井さんからの着信
だった。


「はい!お疲れ様です。」


『フッ‥。休みの日まで仕事とは
 感心だな。』


「えっ?あ‥‥すみません、
 びっくりしてしまって‥。
 何かご用でしたか?」


ついいつもの癖で電話に出てしまい、
恥ずかし過ぎてクッションに顔を
埋めたくなる


『予定がなければ迎えに行くから
 夜ご飯食べに行かないか?』


ドキッ‥‥


筒井さんと休みの日にご飯!?
まさかのお誘いに2つ返事で返すと
30分後に迎えに行くと言われて
電話を切られた。


どうしよう‥‥なんか
幸せ過ぎて逆に何かが起こりそうで怖い


そんな余韻に浸れずに、着替えや
メイクを施す。


ああ、何着ていいか分からない!
なんて着替えては脱いでとバタバタしているとあっという間に下に着いたと
連絡が来たので慌てて部屋を出た。


一階に着くと、一度大きく
深呼吸をしてからエントランスの
ドアを開けると、車の外に立ち
煙草を吸っていた筒井さんがこちらに
向かって軽く手を挙げた。


「こんにちは。お待たせして
 すみません。」


『フッ‥‥。こんにちは。
 暑いから車に乗ってて。これ吸ったら
 行くから。』


助手席のドアを開けてくれると
涼しい心地よい風を受けながら
外で煙草を吸う筒井さんを見つめた


シンプルなTシャツとパンツ姿なのに
鍛えられた適度な筋肉がのぞいて
スタイルの良さが際立つ


スーツ姿の筒井さんも素敵だが、
私服の筒井さんは貴重で新鮮だから
余計に素敵に見えてしまう


もう少し大人っぽくしてくれば
良かったな‥‥


結局ノースリーブのカットソーに
パンツを合わせただけの格好に
今からでも部屋に戻って着替えたいなんて思ってしまう


ガチャ

『待たせて悪いな。腕の傷はどう?』


「痛みも殆どないです。シャワーが
 まだ痛いくらいなので明日出勤前に
 病院に朝一で寄ってから行くって
 蓮見さんに連絡してあります。」


『そうか、気をつけて行っておいで。
 よしお腹空いてるから行こうか。
 何系が食べたい?』 
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