クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜
 互いの服を取り去ると、祐駕くんは私の鎖骨を指でなぞった。

「消えてしまったな」

 そこに、あの夜つけられた赤い痕はもうない。

「うん」

 ただの返事のつもりだったのに、思ったより色っぽい声が出て、恥ずかしい。

 視線をそらせると、突然祐駕くんの唇が降ってきた。私の鎖骨に、チリリと優しい痛みを落とす。

 それは、一箇所だけにとどまらなかった。
 胸元、首筋、お腹、腕、脚、……。身体の至る所に吸い付かれ、その度に感じる痛みにドキリと身体が反応してしまう。

 あられもない声から漏れ、恥ずかしくて口元を隠したら、戻ってきた祐駕くんの唇が私の手をどかし、再び私の唇を塞いだ。
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