クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜
 それでも足りないというように、祐駕くんは私の顔中にキスをする。

 けれど、なんだかじれったい。
 キスは嬉しいのだけれど、なかなか触れてもらえないのがもどかしい。

 最初はあんなに淡白だったのに。二度目は情熱的で激しかった。三度目は、こんなにゆっくり焦らすなんて……。

 まるで嵐のようなキスの連続に、頭の中は祐駕くんでいっぱいだ。

 王子様みたいな祐駕くん。かと思えば、マーケットを一緒に楽しんでくれる祐駕くん。
 私の想いを汲んで、少女に優しくしてくれた祐駕くん。それに今、こうして私を自分のものだと宣言するようにキスを落としてゆく祐駕くん。

 印象は全然違うのに、その全部が祐駕くんだ。
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