クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜
 濃厚なケーキを堪能しながら、目の前のブランデンブルク門に目を向ける。

 昨日とは打って変わって晴天の今日、その周りには観光客が絶えない。

 こういうのが突然街中にあると、異国に来たって感じするなあ。

 そんなことを思っていると、食後のコーヒーを口に運びながら、祐駕くんが不意に口を開いた。

「ブランデンブルグ門は、今でこそ東西統一の象徴として有名だが、その昔はベルリンを二つに分断した象徴とされた悲しい門なんだ。ベルリンの壁って、知ってるだろ?」
「うん。ベルリンを二つに分断してた壁だよね」

 言えば、祐駕くんは「ああ」と短く答えてくれた。
< 123 / 251 >

この作品をシェア

pagetop