クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜
『同じ自動車大国なのに日本はすばらしいよ。どうしたら、日本のように皆が鉄道やクリーンな乗り物に乗ってくれるのだろう』

 フリートベルクさんは考えこんでしまう。その間、ちらりと祐駕くんを見た。
 祐駕くんはブロンドの髪の、青い瞳のきれいなお嬢様とお話していた。とてもにこやかで、何かとても盛り上がっている。

『祐駕が結婚をこのタイミングにしたのは、そろそろ日本に戻るからなんだよね。祐駕が日本に戻るのは残念だが、私もまた日本に行って学びたいことがたくさんだ』

 フリートベルクさんが日本を褒めてくれるから、私はニコリと微笑んだ。けれど、私の胸にはモヤが広がってしまった。
 すると、突然フリートベルクさんはクスクス笑い出し、隣りにいた祐駕くんにドイツ語で何かを告げる。
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