クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜
 会話に入れない私を哀れんだのか、フリートベルクさんが英語で祐駕くんに話しかけた。

『うちのエミリアもいいと思っていたんだけれどね。こんなに可愛くてしっかりした奥さんを日本に隠していたなんて、祐駕も隅に置けない男だ』

 フリートベルクさんが祐駕くんを小突き、『妻は渡しませんよ?』と祐駕くんが返す。

 祐駕くんの言葉は嬉しいけれど、先ほどのエミリアさんからの視線に私はモヤモヤしていた。

 エミリアさんって、祐駕くんのこと好きなのかな?
 祐駕くんと結婚したのは私なのに、なんであんなに勝ち誇ったような顔を?

 ドクドクと、胸を叩く嫌な音が大きくなった。
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