クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜

唐突なプロポーズ

 指定されたレストランに着く。入口からして高級感漂うそこに、緊張しながら足を踏み入れた。
 レセプションで名前を告げると、もう既に到着しているという持月くんの元へ案内された。

 頭上にはきらめくシャンデリア、足元にはふわふわな赤い絨毯。そんな通路を歩きながら、私は店内へ目を向けた。

 静かに談笑しながら食事を楽しむ小綺麗な大人が数組。その奥、ガラスのカーテンウォールの向こうには、東京の夜景が見下ろせる。

 ハイステータスなお店に来てしまったことは間違いない。

 やがて案内人は、とある扉の前で足を止め、その扉をノックする。
 まさか、個室――!?
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