クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜
 それから、年末年始の鉄道業務へと心を入れ替え、仕事に勤しむ毎日。
 あっという間に日々は過ぎ、朝明台駅前のクリスマスイルミネーションも、気付けば終了していた。

 祐駕くんとはメッセージで連絡を取り合い、お揃いのカップを使ってるねと写真を送りあったり、クリスマスも共に過ごせなくて悪いとか、そんな話をした。電話は時差や互いに仕事が忙しく、できても短い時間だけだった。

 それでも、祐駕くんは私のために時間を作り、日本とドイツの距離を埋めようとしてくれている。電話やメッセージのやりとりをするたびに、心に巣食う不安が少し減っていくのを感じていた。
 
 それに、祐駕くんはもうすぐ日本に帰って来る。
 だから、もう少ししたら、この不安からも開放されるよね?

 そんな毎日を過ごしながら日々は過ぎ、年明け。
[あけましておめでとう]と祐駕くんからメッセージが届いた。
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