クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜
[二人で住む部屋、決まった。朝明台駅からすぐの、マンションだ]

 祐駕くんはドイツで、帰国後に住む物件を探していた。決まったという物件は、ファミリー層の公官向けマンションだ。

 祐駕くんは私に相談もしつつ、一月中に竣工するというそのマンションに申し込んでくれていたのだが、その審査が通って無事暮らせるようになったのだという。

 心待ちにしていた二人暮らし。
 祐駕くんと暮らす、日本での毎日が現実味を帯びてくる。

 けれど、今ここに彼がいないことが、寂しくて仕方なかった。
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