クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜
 そんなこと、あり得ないと思う。あり得ないと思うのに、不安でたまらない。

 私は早く日本に戻って来てと催促するように、祐駕くんに見学会へ行った旨をメッセージで送った。

[俺たちの部屋にも家具が入ったら、すぐに引っ越しできる。一月末には入居できるから、少しずつでいいから引っ越しよろしくな]

 祐駕くんからの返信に安堵し、[引っ越し頑張ります!]と返信した。

[一緒に過ごす日が楽しみだ]

 返ってきたメッセージを見ていると、頭の中で祐駕くんが笑う。

 大丈夫だ。〝幸せな家族〟になるのは、私と祐駕くんなんだから。

 そう思うけれど、やっぱり寂しくて、不安が胸に膨れ上がる。
 早く、祐駕くんに会いたい。
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