クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜
「志前くん、すごいよねぇ」

 やってきた駅長が私の後ろから画面を覗いた。

「この車両って、運転台は他のと違うのかねえ?」

 旭飛が運転することになる新型特急は、次世代のハイブリット型特急だ。

 鉄道は車よりも二酸化炭素を排出しない、クリーンな乗り物とされているが、その電気を作るために使われているのが化石燃料であることに変わりはない。

 鉄道各社がこぞって電力を再生可能エネルギー由来のものに切り替えている中、注目されているのが水素電池と蓄電池を搭載したハイブリット車両、いわゆる〝水素電車〟だ。

 この車両が増えれば、ゆくゆくは電車の架線も必要なくなる。次世代のカーボンニュートラル車両として、国内外問わず注目を浴びている。

 ヨーロッパでは既に実用化されているのだが、大川電鉄はその運転速度の高速化に成功し、国内初のブランド化。
 この春から、都心と神奈川の西部をつなぐ特急車両として運用を開始するのだ。
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