クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜
 羽田空港へやってきた私は、さっそく手元のスマホと国際便の案内板で、祐駕くんの乗っている飛行機を確認する。特に遅れもなく、通常通りの運航だと安堵し、国際線の出口でその便の到着を待った。

 そわそわして、ワクワクして、ドキドキする。
 早く来ないかなあ、なんて、子供じみたことを思ってしまう。

 早く、幸せになりたい。
 早く、不安から解放されたい。

 しかし、日本に戻ってきた彼を見つけて、私は思わず立ちすくんだ。

 目の前にいた彼を見ていられなくて、慌てて踵を返した。
 逃げるように空港内を駆け、やってきた電車に飛び乗ってしまった。

 何で、祐駕くんの隣にエミリアさんがいるの?
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