クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜
忌々しい記憶であると同時に、見られていたという恥ずかしさ。あの時の私はとにかく少しでも早くと必死だったから、どんな顔をしていたかも覚えていない。だから余計に、恥ずかしい。
「高校ん時、咲多はずっとそんな感じだったよな。文化祭の時も」
「文化祭?」
「サッカー部のたこ焼き。咲多で売り切れるって分かってたのに、後ろに並んでた小さい子が泣き出して、順番代わってやってた」
「そんなこと、あったっけ?」
「あった。俺、サッカー部で屋台の中にいたから、覚えてる」
「本当、よく覚えてるね」
へえ、と相槌を打ちながら、けれど胸の内は恥ずかしさでいっぱいだ。赤くなった顔を隠すように俯いていると、ウェイターさんがグラスにミネラルウォーターを注ぎに来た。
助かった、と思いながら、持月くんに倣い軽く掲げて乾杯をした。
「そんな咲多に、提案があるんだが」
丁度運ばれてきた料理に綺麗にナイフを入れながら、持月くんは口を開いた。
「俺と、結婚しないか?」
「高校ん時、咲多はずっとそんな感じだったよな。文化祭の時も」
「文化祭?」
「サッカー部のたこ焼き。咲多で売り切れるって分かってたのに、後ろに並んでた小さい子が泣き出して、順番代わってやってた」
「そんなこと、あったっけ?」
「あった。俺、サッカー部で屋台の中にいたから、覚えてる」
「本当、よく覚えてるね」
へえ、と相槌を打ちながら、けれど胸の内は恥ずかしさでいっぱいだ。赤くなった顔を隠すように俯いていると、ウェイターさんがグラスにミネラルウォーターを注ぎに来た。
助かった、と思いながら、持月くんに倣い軽く掲げて乾杯をした。
「そんな咲多に、提案があるんだが」
丁度運ばれてきた料理に綺麗にナイフを入れながら、持月くんは口を開いた。
「俺と、結婚しないか?」