クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜
 愛おしそうに目を細められ、胸が高鳴る。

「――あの頃から、映茉を好きだったのかもしれない。高校の頃、自分の受験を投げてまでおばあさんを助けていた映茉を、単に格好いいと思っていた。けれど、今思えば、あの気持ちも、全部恋だったのかもしれない」

 祐駕くん――。

 少しだけ恥ずかしそうに話す祐駕くんを、愛おしいと思う。
 だから、私は堪らず彼の唇にキスを落とした。

 すると、祐駕くんも私の唇を奪う。
 再び重なった唇は、何度も何度もお互いを求め出す。

 新たに気持ちを確かめ合ったこの夜、私たちは幸せに溶かされるように、何度も何度も求めあった。
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