クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜
「仕事、辞めてもいいの?」
「ああ。収入面では、困ることもないだろうからな。もしまた働きたくなったら、その時は俺も一緒に考える。それから――」

 祐駕くんは急に真剣な目をする。

「他国にもついてくるというのなら、もし危険なことがあったら、俺は全力で映茉を守ると約束する。もし将来、不安なことがあるなら、すぐに言って欲しい。抱え込まずに、何でも相談して欲しい」
「祐駕くん」

 その優しさに、想いを汲んでくれた嬉しさに、愛しさがこみ上げる。

「迷惑かける。だが、今後ともよろしく頼む」
「迷惑なんて思ってないよ。私、一緒にいれて嬉しいんだから!」

 身を乗り出すように伝えると、祐駕くんは嬉しそうに笑った。
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