クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜
「映茉、先程はお疲れ様。助かった」
「ううん、こちらこそありがとうございました」

 祐駕くんにも敬礼を向けると、祐駕くんは優しく微笑んだ。

「もうすぐ出発だけど、乗らなくていいの?」
「警察の聴取があって、俺はこの電車には乗らなくなったんだ」
「そうなんだ」

 そんな話をしていると、祐駕くんの後ろからひょっこりと小柄な女性が現れた。

「私もよ」
「エミリアさん……」

 間違いない、彼女だ。
 そう思っていると、彼女は目を見開く。

「私のこと、覚えていてくれたのね!」

 エミリアさんは言いながら、私に微笑んだ。
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