クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜
 聞けば聞くほど失礼で、けれど悔しいかな持月くんはただ淡々と話す。

 でもさ、結婚ってそういうものじゃなくない!?

「っていうか、持月くんなら引く手あまたでしょ? 外交官さんだよ? 女性の憧れ職業じゃない! 何でわざわざ再会して一日目の私に結婚なんて提案したの? もっと他にいい人とか――」
「そんな人はいない。いたらこんなことは言わない」
「いやいや、絶対いるよ! かっこいいし、頭いいし、高校時代だってモテてたし!」
「そうなのか?」

 突然持月くんがキョトンとするから、彼のペースにむむむ~っとなってしまう。勢いに任せて『かっこいい』とか言っちゃったじゃん!
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