クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜
「あの時ね、あまりにも私の推しの恋人にあなたが似ていたから……、さすが祐駕の奥さんだって、つい興奮して、にやけてしまったのよ!」

 え?

 思わずぽかーんと口が開く。
 つまり、エミリアさんは私がアニメのキャラクターに似てるって思っていただけ……? 

「それで勘違いさせてしまったのね! 笑ったわけじゃないの! 興奮を抑えるのに必死だったの。もう、それで祐駕にも怪訝な顔されるし」

 エミリアさんは恥ずかしがりながら、はぁ、とため息を零した。

「だって、全然似てないだろう」

 祐駕くんの言葉に、エミリアさんは私の顔をじーっと見る。「似てると思うんだけどなぁ」などとブツブツ呟きながら。

「ともあれ、誤解が解けて良かったわ」
「いえ、私の方こそ勝手に勘違いしてごめんなさい」

 ペコリと頭を下げれば、ニコッと手を差し出される。その手を握ると、エミリアさんは満面の笑みを向けてくれた。
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