クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際0日な私たちの幸せ演技婚〜
初夜というには淡白で
横浜の市役所で婚姻届を無事提出した私たちは今、みなとみらいの街が一望できるレストランへと来ている。ホテルも展望台もついているこの建物の、最上階にあるレストランだ。
持月くんが、今日のために予約してくれていたらしい。
今日はシャンパンで乾杯し、入籍のお祝いをした。
秋特有の短い夕暮れを通り過ぎた街。窓の外では、ビルや観覧車が光り輝いている。
本当に、結婚しちゃった……。
実感が沸かないのに、そのことばかりが頭の中をぐるぐる回っていて、大人なディナーなのに落ち着かない。
「親が言ってたこと、本当に気にしなくて良いからな」
食後のワインを頂いていると、不意に持月くんが口を開いた。
私はそんなに、浮かない顔をしていたのだろうか。
「ううん、そのことに関しては大丈夫! もっと未来に、考えればいいことだし!」
「そうか」
持月くんは言いながら、眉を少しだけハの字にする。
「でも、やっぱりいきなり結婚なんて……、何も考えなしだったし、良かったのかなって」
「俺との未来は、不安か?」
探るような瞳は、揺れている。けれど、不安は隠したくない。きっとすぐに、バレてしまう。
持月くんが、今日のために予約してくれていたらしい。
今日はシャンパンで乾杯し、入籍のお祝いをした。
秋特有の短い夕暮れを通り過ぎた街。窓の外では、ビルや観覧車が光り輝いている。
本当に、結婚しちゃった……。
実感が沸かないのに、そのことばかりが頭の中をぐるぐる回っていて、大人なディナーなのに落ち着かない。
「親が言ってたこと、本当に気にしなくて良いからな」
食後のワインを頂いていると、不意に持月くんが口を開いた。
私はそんなに、浮かない顔をしていたのだろうか。
「ううん、そのことに関しては大丈夫! もっと未来に、考えればいいことだし!」
「そうか」
持月くんは言いながら、眉を少しだけハの字にする。
「でも、やっぱりいきなり結婚なんて……、何も考えなしだったし、良かったのかなって」
「俺との未来は、不安か?」
探るような瞳は、揺れている。けれど、不安は隠したくない。きっとすぐに、バレてしまう。