クールなエリート外交官の独占欲に火がついて 〜交際０日な私たちの幸せ演技婚〜

予想外の独占欲（side 祐駕）

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　羽田発の飛行機の中、俺は窓の外を眺めていた。

　急遽変えた予定のせいで、席はエコノミー。羽田からフランクフルトへの直通便は少なく、イギリスのヒースローで乗り継がなくてはいけなくなったが、おかげでベルリン便の予約が取れた。直前にも関わらず空席があったことはありがたい。

　それに、ホテルも。

　俺は時間を無駄にするのが好きじゃない。
　予定通りに動いてこそうまくいく。
　そう、思っていた。

　なのに、映茉と離れるのが惜しくて、映茉を自分の妻だと確かめたくて。フライト直前にも関わらず、予定を変えてしまった。
　羽田に向かう電車の中で、必死に空いている便とホテルの部屋を探したのだ。

　映茉には仕事かと聞かれ、つい「そうだ」と恥ずかしさを誤魔化した。

　こんなこと、初めてだ。

　窓の外は、まだ日の昇らない、深い青色の空が広がっている。
　その青色を見ながら、俺は映茉との再会のときを思い出していた。