《番外編》愛し愛され愛を知る。
認めてもらえる幸せ
※これは理仁と真彩が結婚して間もない頃のお話※
「ねぇパパ、どーして大きいおふろにくると、手にほうたいしてるの?」
最近、銭湯にハマっている悠真は、共にお湯に浸かっている理仁にそう問い掛けた。
悠真が疑問に思っているのは、何故か銭湯に来ると包帯が巻かれている右手の事。
これは怪我をした訳ではなくて、理仁の右手の甲には龍の刺青が入っているから。
本来こういった場所は刺青やタトゥーが入っていると入店を断られるもの。
ただ、今居るこの銭湯は刺青やタトゥーの部分が隠れていれば、入る事を許されている。
それなので手の甲のみに刺青が入っている理仁は包帯で覆い隠しているのだ。
「てにかいてあるえ、かっこいいのにさぁ、なんでかくすの?」
「悠真、これはな、あまり人には見せられねぇものなんだ。だから、こういうところでは隠さなきゃならねぇ。悠真がこれを格好良いと言ってくれるのは嬉しいが、これは本来、しちゃいけねぇ事なんだよ」
「そうなの? ゆうまもパパとおそろいにしたいのに」
「駄目だ。それだけは許可出来ねぇ。それと、外でこれの事を話すのも無しだ。分かったな?」
「……うん、わかった」
悠真は理仁の刺青を格好良いと思っているようで、更には自分もそんな理仁とお揃いにしたいと思っていた事を知り、人前でこの話をしてはいけない、これはやってはいけない事だと注意した理仁の心中は複雑だった。
理仁が刺青を入れたのは、二十歳になった時。
先代でもある理仁の義父が同じ場所に同じ刺青をしていた事がきっかけだった。
実は理仁もそんな義父の刺青を格好良いと思ったから迷わず入れたのだけど、まさか悠真も同じような感想を抱くとは思わなかったのだ。
(普通、こんなの見たら怖いと思うものだけどな……思えば悠真は、初対面の頃からこれに抵抗が無さそうだった)
悠真と血の繋がりは無いものの、自分と同じ考えを持っていた事を知って、少しだけ嬉しくなった理仁。
だけど、悠真には自分と同じ道は歩ませたく無いと思っている理仁からすると、刺青は悪影響だと思い直す。
(やっぱり、消した方がいいのかもしれねぇな……)
そんな思いを密かに胸に抱いた理仁は、その夜真彩に相談した。
「ねぇパパ、どーして大きいおふろにくると、手にほうたいしてるの?」
最近、銭湯にハマっている悠真は、共にお湯に浸かっている理仁にそう問い掛けた。
悠真が疑問に思っているのは、何故か銭湯に来ると包帯が巻かれている右手の事。
これは怪我をした訳ではなくて、理仁の右手の甲には龍の刺青が入っているから。
本来こういった場所は刺青やタトゥーが入っていると入店を断られるもの。
ただ、今居るこの銭湯は刺青やタトゥーの部分が隠れていれば、入る事を許されている。
それなので手の甲のみに刺青が入っている理仁は包帯で覆い隠しているのだ。
「てにかいてあるえ、かっこいいのにさぁ、なんでかくすの?」
「悠真、これはな、あまり人には見せられねぇものなんだ。だから、こういうところでは隠さなきゃならねぇ。悠真がこれを格好良いと言ってくれるのは嬉しいが、これは本来、しちゃいけねぇ事なんだよ」
「そうなの? ゆうまもパパとおそろいにしたいのに」
「駄目だ。それだけは許可出来ねぇ。それと、外でこれの事を話すのも無しだ。分かったな?」
「……うん、わかった」
悠真は理仁の刺青を格好良いと思っているようで、更には自分もそんな理仁とお揃いにしたいと思っていた事を知り、人前でこの話をしてはいけない、これはやってはいけない事だと注意した理仁の心中は複雑だった。
理仁が刺青を入れたのは、二十歳になった時。
先代でもある理仁の義父が同じ場所に同じ刺青をしていた事がきっかけだった。
実は理仁もそんな義父の刺青を格好良いと思ったから迷わず入れたのだけど、まさか悠真も同じような感想を抱くとは思わなかったのだ。
(普通、こんなの見たら怖いと思うものだけどな……思えば悠真は、初対面の頃からこれに抵抗が無さそうだった)
悠真と血の繋がりは無いものの、自分と同じ考えを持っていた事を知って、少しだけ嬉しくなった理仁。
だけど、悠真には自分と同じ道は歩ませたく無いと思っている理仁からすると、刺青は悪影響だと思い直す。
(やっぱり、消した方がいいのかもしれねぇな……)
そんな思いを密かに胸に抱いた理仁は、その夜真彩に相談した。