【書籍化】偽装告白から始まる悪徳外交官の溺愛
前の仕事を必死に思い出す。ワードとエクセルで資料を作ったり、電話を受けたり。そんな内容を話した。
「帰ったら動物ニュースを見るのが癒しだったの」
だから、ウェブライターになったときにも動物ニュースを書こうと思った。自分が癒されたように、誰かを癒したかった。
帰り、彼は駅まで送ってくれた。
「今日は楽しかった。ありがとう」
「私も楽しかった」
恭匡は朱鳥をぎゅっと抱き、額に軽く唇を寄せる。
キスされた、と驚いたときにはもう離れている。
「帰したくなくなっちゃうな」
朱鳥は顔をひきつらせた。
「その顔ではまだ無理かな。また誘うからね」
「さ、誘うって」
「デートだよ。やらしいこと考えた?」
「違うから!」
「冗談だよ。今日は君から敬語がとれた。それで満足だ」
彼は笑い、電車の時間だよ、と彼女を改札の中に送った。
帰したくなくなるなんて。本気で言われたら自分はどう答えただろう。
考えたくなくて、朱鳥は首を振ってそれを追い払った。
「帰ったら動物ニュースを見るのが癒しだったの」
だから、ウェブライターになったときにも動物ニュースを書こうと思った。自分が癒されたように、誰かを癒したかった。
帰り、彼は駅まで送ってくれた。
「今日は楽しかった。ありがとう」
「私も楽しかった」
恭匡は朱鳥をぎゅっと抱き、額に軽く唇を寄せる。
キスされた、と驚いたときにはもう離れている。
「帰したくなくなっちゃうな」
朱鳥は顔をひきつらせた。
「その顔ではまだ無理かな。また誘うからね」
「さ、誘うって」
「デートだよ。やらしいこと考えた?」
「違うから!」
「冗談だよ。今日は君から敬語がとれた。それで満足だ」
彼は笑い、電車の時間だよ、と彼女を改札の中に送った。
帰したくなくなるなんて。本気で言われたら自分はどう答えただろう。
考えたくなくて、朱鳥は首を振ってそれを追い払った。