【書籍化】偽装告白から始まる悪徳外交官の溺愛
「お前、よくやったな!」
朱鳥はとっさにバッグに手を入れ、ペン型カメラのスイッチを入れる。
「おかげで被害が最小限で済んだ。わが社の正義の告発ってことで第二弾いくぞ!」
勝則の手の平返しに、顔をこわばらせた。
「第二弾の素材なんてありません」
「なんとでもなるだろ!」
勝則の言葉には嫌悪しかなかった。
「嫌です。やりません」
「逆らうのかよ! 契約がどうなってもいいのか!?」
「それ、パワハラです」
「うるせえ、お前は命令だけ聞いてればいいんだよ!」
「じゃあ第二弾やります。今、素材ができました」
「はあ?」
「上司の日常的なパワハラ。きっとウケますよ。これ、ペン型カメラです」
朱鳥はバッグからペン型カメラを出す。映像は撮れていないが、音声は入っているはずだ。
「それから、私は契約を更新しません。フリーに戻って書きたい記事を書きます。動物ほのぼのニュースとかグルメ情報とか」
「各社に買わないように言ってやるからな!」
「脅迫。今度は映像も撮れてますよ。第三弾もいけそうですね」
朱鳥が言うと、勝則は怨嗟に顔をゆがめた。
「契約満了までは働きますから。あとしばらくお願いします」
朱鳥が頭を下げると、勝則は、ふん、と背を向けた。
朱鳥はとっさにバッグに手を入れ、ペン型カメラのスイッチを入れる。
「おかげで被害が最小限で済んだ。わが社の正義の告発ってことで第二弾いくぞ!」
勝則の手の平返しに、顔をこわばらせた。
「第二弾の素材なんてありません」
「なんとでもなるだろ!」
勝則の言葉には嫌悪しかなかった。
「嫌です。やりません」
「逆らうのかよ! 契約がどうなってもいいのか!?」
「それ、パワハラです」
「うるせえ、お前は命令だけ聞いてればいいんだよ!」
「じゃあ第二弾やります。今、素材ができました」
「はあ?」
「上司の日常的なパワハラ。きっとウケますよ。これ、ペン型カメラです」
朱鳥はバッグからペン型カメラを出す。映像は撮れていないが、音声は入っているはずだ。
「それから、私は契約を更新しません。フリーに戻って書きたい記事を書きます。動物ほのぼのニュースとかグルメ情報とか」
「各社に買わないように言ってやるからな!」
「脅迫。今度は映像も撮れてますよ。第三弾もいけそうですね」
朱鳥が言うと、勝則は怨嗟に顔をゆがめた。
「契約満了までは働きますから。あとしばらくお願いします」
朱鳥が頭を下げると、勝則は、ふん、と背を向けた。