瀬渕さんは、総務部長を愛したい。

総務部長を愛したい



部長に連れられ、やって来た寝室。
部屋に入るなりベッドに押し倒されて、貪るようにキスをされた。

何度も唇を重ねては離す。
そんな部長の動きに蕩けそうになる。


「ぶ…部長…」
「名前で呼んで、涼子」
「……け、け……………」


よ……呼べませんけど!?


部長は部長だし!
名前で呼ぶなんて…そんな……。


というか、私の名前も呼ばないで!!
ドキドキして…苦しい…。


「部長…呼べません」
「分かった。じゃあ、呼ぶまで…帰さない」
「…………」



そう言った部長の目は…本気だった。
思わず背筋がゾクッとする。



「覚悟は良い?」
「…………」



無言で頷くと、ゆっくりと近付いてきた唇。
そっと唇を重ねるも、その動きは段々と激しくなる。

何度もくっつけては離して。
次第に溢れ始める唾液。

それでも何度も何度も繰り返しながら、部長の手は服の中に入ってくる。

少しだけ冷えている部長の手。

その感覚に、この前会社で身体を重ねた時の感覚が蘇る。


……身体が疼いて…落ち着かない。


「涼子、この前は無言だったけれど。今日は…名前を呼ばせて…」
「…もう、呼んでいるではありませんか」
「もっとだよ…。足りない」


夢中でお互いの服を剥ぎ取り、合間に唇を重ねる。

部長は涼子…と何度も私の名前を呼び、丁寧に全身を撫でながら舐め回していた。



「…」



私も負けずに、部長の硬く熱いものに触れる。

すると聞いた事のない甘い声が漏れ、部長は咄嗟に口を押さえた。




「……可愛い」




部長、可愛い。

自分の口角が自然と上がる感じが分かった。



「………」



色々、したい。
そう思い触れるのをやめて、今度はそっと口に含む。

より一層漏れる甘い声に、私の身体もゾクゾクして止まらない。




「圭佑さん…可愛いです」




自然と出てきた部長の名前。

それを聞いた部長も、艶っぽく口角を上げた。




お互いの身体を貪るように求め、お互いの名を呼び合う私と部長。



避妊具を手に取り、そっと装着させると部長は豹変。
急に雄の顔が優位になり、躊躇いも無く私の中に侵入してくる。




激しくも優しくて甘い部長。




会社での一夜を上回るくらい

私と部長はお互いの愛溢れる行為に、時間も忘れひたすらに溺れた。




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