瀬渕さんは、総務部長を愛したい。
ミスはピカイチ!
ミスは誰にだってある。
仕事をしていれば、1つ2つは必ずある。
もちろん、私にも。
だけど、百発百中ミスをするのは…有り得ないだろう…。
「門倉!!!!」
「ハイ」
一般社員 門倉新太、31歳。
私より年上だが、会社では後輩。
「門倉、お前さぁ……。自己チェックしたか?」
「しました」
「あぁ!? 嘘つくな!! 絶対してないからそう聞いているんだよっ!!!」
「……すみません、していません」
今日も勢いよく突き返される伝票。
なんでも請求書と伝票の金額が違うらしい。
「お前何歳だよマジで!! あと何回同じ間違いを繰り返せば気が済むの!?」
「……すみません」
「すみませんで済めば、総務部長はいらーーん!!!」
市野部長の叫び声が響き渡る総務部室。
うん、今日も平和です。
「…………」
いや、嘘。
白目剥きそう。