名門の魔法学校を首席で卒業した私、「女のくせに生意気だ」という理由で婚約破棄される〜代わりにもらってくれたのは、入学からずっと首席争いをしていた次席のライバル王子でした〜
第八話 「熱情の自覚」
正式な婚約発表を終わらせた後。
私たちは純粋に祝賀会を楽しんだ。
豪勢な食事と上流階級の人たちとの交流。
婚約発表に対する祝福の言葉と、開拓作戦の成功を賞賛する声も直接もらうことができた。
楽しくてそれでいて有意義な時間を過ごすことができて、改めてこの祝賀会に来てよかったと思った。
それからあっという間に時間は過ぎていき、祝賀会も終了の時刻が迫ってくる。
観客たちもまばらに帰り始めていて、私たちもタイミングを見て王宮の方へ戻ろうということになった。
そんな時……
「あっ、ローズマリー様」
「……?」
不意に見知らぬ男性に声を掛けられる。
燕尾服に身を包んだ淡黄色の髪の青年。
見覚えのない人だったので、私はつい眉を寄せてしまう。
どうして声を掛けられたのか疑問に思っていると、青年は心配するような顔で言った。
「先ほど手巾を落としませんでしたか?」
「えっ?」
「レースをあしらった青色のものが、休憩室の方へ届けられていました。あなたがそれと似ている手巾を先ほど使っていましたので、一応声を掛けておこうと」
言われて懐を確かめてみる。
すると確かに持っていたはずの手巾が無くなっていた。
私たちは純粋に祝賀会を楽しんだ。
豪勢な食事と上流階級の人たちとの交流。
婚約発表に対する祝福の言葉と、開拓作戦の成功を賞賛する声も直接もらうことができた。
楽しくてそれでいて有意義な時間を過ごすことができて、改めてこの祝賀会に来てよかったと思った。
それからあっという間に時間は過ぎていき、祝賀会も終了の時刻が迫ってくる。
観客たちもまばらに帰り始めていて、私たちもタイミングを見て王宮の方へ戻ろうということになった。
そんな時……
「あっ、ローズマリー様」
「……?」
不意に見知らぬ男性に声を掛けられる。
燕尾服に身を包んだ淡黄色の髪の青年。
見覚えのない人だったので、私はつい眉を寄せてしまう。
どうして声を掛けられたのか疑問に思っていると、青年は心配するような顔で言った。
「先ほど手巾を落としませんでしたか?」
「えっ?」
「レースをあしらった青色のものが、休憩室の方へ届けられていました。あなたがそれと似ている手巾を先ほど使っていましたので、一応声を掛けておこうと」
言われて懐を確かめてみる。
すると確かに持っていたはずの手巾が無くなっていた。