名門の魔法学校を首席で卒業した私、「女のくせに生意気だ」という理由で婚約破棄される〜代わりにもらってくれたのは、入学からずっと首席争いをしていた次席のライバル王子でした〜
王位を継ぐ第一王子と違って、第二王子は王弟として補佐をするか領地開拓の使命を与えられることになる。
そして未開拓地の開拓を成功させた場合、そのままそこを領地としてもらう王子もいるとか。
ただ未開拓地は何か理由があって開拓が進んでいない場所のため、かなり難儀な使命であるとも聞いた。
だからディルは手を貸してくれそうな優秀な魔術師を探していたってわけか。
でも、なんでわざわざライバルの私なんかを……
「この六年間、僕は一度として君に勝つことができなかった。悔しいし、すごく癪だけど、そんな君に僕が任されることになっている領地に来てもらえたら、とても心強いとも思ったんだ」
「い、いや、学校の成績は私の方が上だったけど、開拓の手伝いなんてしたことないよ。勝手も全然わかんないし、そもそも私の家の格式だってそんなに高くないから……」
王子の婚約者になる資格がないと思うんだけど。
その時、固まっていたマーシュ様が取り乱したように口を挟んできた。
「た、戯言だ! この女が王子の婚約者になるだと!? 男を立てることも知らないこの愚女に、王子の婚約者が務まるはずがない!」
「それを決めるのは第二王子であるこの僕だよ。それとも何かな、彼女が王子の婚約者になって、実力だけでなく立場的にも抜かれてしまうのがそんなに気に食わないのかな?」
「ぐっ……!」
マーシュ様は図星と言わんばかりに歯を食いしばっている。
王子の婚約者ならば、確かに立場的に侯爵令息のマーシュ様より上になるかもしれない。
それを危惧してマーシュ様は口を挟んできたみたいだ。
そして未開拓地の開拓を成功させた場合、そのままそこを領地としてもらう王子もいるとか。
ただ未開拓地は何か理由があって開拓が進んでいない場所のため、かなり難儀な使命であるとも聞いた。
だからディルは手を貸してくれそうな優秀な魔術師を探していたってわけか。
でも、なんでわざわざライバルの私なんかを……
「この六年間、僕は一度として君に勝つことができなかった。悔しいし、すごく癪だけど、そんな君に僕が任されることになっている領地に来てもらえたら、とても心強いとも思ったんだ」
「い、いや、学校の成績は私の方が上だったけど、開拓の手伝いなんてしたことないよ。勝手も全然わかんないし、そもそも私の家の格式だってそんなに高くないから……」
王子の婚約者になる資格がないと思うんだけど。
その時、固まっていたマーシュ様が取り乱したように口を挟んできた。
「た、戯言だ! この女が王子の婚約者になるだと!? 男を立てることも知らないこの愚女に、王子の婚約者が務まるはずがない!」
「それを決めるのは第二王子であるこの僕だよ。それとも何かな、彼女が王子の婚約者になって、実力だけでなく立場的にも抜かれてしまうのがそんなに気に食わないのかな?」
「ぐっ……!」
マーシュ様は図星と言わんばかりに歯を食いしばっている。
王子の婚約者ならば、確かに立場的に侯爵令息のマーシュ様より上になるかもしれない。
それを危惧してマーシュ様は口を挟んできたみたいだ。