名門の魔法学校を首席で卒業した私、「女のくせに生意気だ」という理由で婚約破棄される〜代わりにもらってくれたのは、入学からずっと首席争いをしていた次席のライバル王子でした〜
剣戟が繰り広げられる中、マーシュが激情を声に変えてディルにぶつける。
ディルはマーシュの猛攻を正確に捌きながら、煽りとも取れる言葉に冷静に返した。
「確かに僕はローズマリーに負けた。しかしだからこそローズマリーの強さを身を持って知ることができたし、自分の弱さを受け入れるいいきっかけにもなった」
ふと、ディルが横目に一瞥してくるのを感じる。
彼の横顔には激しい悔しさが滲んでいて、私はその気持ちを痛いほど理解できた。
ディルが私の強さを知っているように、私だって彼の負けず嫌いを知っている。
だからこの場で『負け犬』と言われたのもすごく悔しいだろうけど、それでも彼は声音を変えることなくマーシュに言った。
「彼女に負けたことを、僕は恥とは思わない。勝つことを諦めて彼女を陥れようとした君こそ、真に恥ずべき人間だ」
「ディル・マリナードォォォ!!!」
憤りが頂点に達したマーシュは、力の限り剣を大きく振りかぶる。
その一撃に真正面から応えるように、ディルも力を込めて剣を振った。
両者全力の一閃が、薄暗い部屋に火花を散らす。
技量や小細工などを介さない、正真正銘の純粋な力比べ。
それを制したのも、ディルだった。
「ぐっ――!」
マーシュの握る剣が、ディルの剣によって壁際まで弾き飛ばされる。
その隙を見逃すことなく、ディルは間合いを詰めて、切っ先をマーシュの喉元に突き立てた。
ディルはマーシュの猛攻を正確に捌きながら、煽りとも取れる言葉に冷静に返した。
「確かに僕はローズマリーに負けた。しかしだからこそローズマリーの強さを身を持って知ることができたし、自分の弱さを受け入れるいいきっかけにもなった」
ふと、ディルが横目に一瞥してくるのを感じる。
彼の横顔には激しい悔しさが滲んでいて、私はその気持ちを痛いほど理解できた。
ディルが私の強さを知っているように、私だって彼の負けず嫌いを知っている。
だからこの場で『負け犬』と言われたのもすごく悔しいだろうけど、それでも彼は声音を変えることなくマーシュに言った。
「彼女に負けたことを、僕は恥とは思わない。勝つことを諦めて彼女を陥れようとした君こそ、真に恥ずべき人間だ」
「ディル・マリナードォォォ!!!」
憤りが頂点に達したマーシュは、力の限り剣を大きく振りかぶる。
その一撃に真正面から応えるように、ディルも力を込めて剣を振った。
両者全力の一閃が、薄暗い部屋に火花を散らす。
技量や小細工などを介さない、正真正銘の純粋な力比べ。
それを制したのも、ディルだった。
「ぐっ――!」
マーシュの握る剣が、ディルの剣によって壁際まで弾き飛ばされる。
その隙を見逃すことなく、ディルは間合いを詰めて、切っ先をマーシュの喉元に突き立てた。