名門の魔法学校を首席で卒業した私、「女のくせに生意気だ」という理由で婚約破棄される〜代わりにもらってくれたのは、入学からずっと首席争いをしていた次席のライバル王子でした〜
ひとしきり泣いた後。
気持ちを落ち着かせた私は、ようやく体の震えと涙を止まることができた。
そしてずっと静かに寄り添ってくれていたディルにお礼を言う。
「ごめんね、ディル。もう大丈夫だよ。ありがとね」
「これくらいどうってことないよ」
「ううん、ずっと傍にいてくれたことだけじゃなくて、危ないところを助けてくれて」
まだそのことについてお礼を言えていなかった。
「ディルが来てくれていなかったら、本当にどうなってたかわからない。だから本当にありがとう」
「……それも礼には及ばないさ」
ディルはなんでもないように肩をすくめる。
命のかかった剣戟をして、窮地を助けてくれたというのに、どこまでも冷静な王子様だ。
「それよりも、本当にもう大丈夫かい? 気持ちの整理がきちんとつくまで、休んでおいた方がいいと思うよ。僕も一緒にいるから」
「本当にもうよくなったから大丈夫だよ」
まあ、もう少しこうしていたいような気もするけど……。
でもいつまでもじっとしてはいられない。
マーシュが襲撃してきた関係で、私は詳しい経緯を話さないといけないし、ディルだってまだやることがあるだろうから。
名残惜しい気持ちで椅子から立ち上がると、私は先ほどの戦いを思い出してディルに言った。
「それにしても、ディルはすごいね」
「えっ、何が?」
「魔法が使えなくても、あれだけ強いなんてさ。私なんて何もできなかったのに」
気持ちを落ち着かせた私は、ようやく体の震えと涙を止まることができた。
そしてずっと静かに寄り添ってくれていたディルにお礼を言う。
「ごめんね、ディル。もう大丈夫だよ。ありがとね」
「これくらいどうってことないよ」
「ううん、ずっと傍にいてくれたことだけじゃなくて、危ないところを助けてくれて」
まだそのことについてお礼を言えていなかった。
「ディルが来てくれていなかったら、本当にどうなってたかわからない。だから本当にありがとう」
「……それも礼には及ばないさ」
ディルはなんでもないように肩をすくめる。
命のかかった剣戟をして、窮地を助けてくれたというのに、どこまでも冷静な王子様だ。
「それよりも、本当にもう大丈夫かい? 気持ちの整理がきちんとつくまで、休んでおいた方がいいと思うよ。僕も一緒にいるから」
「本当にもうよくなったから大丈夫だよ」
まあ、もう少しこうしていたいような気もするけど……。
でもいつまでもじっとしてはいられない。
マーシュが襲撃してきた関係で、私は詳しい経緯を話さないといけないし、ディルだってまだやることがあるだろうから。
名残惜しい気持ちで椅子から立ち上がると、私は先ほどの戦いを思い出してディルに言った。
「それにしても、ディルはすごいね」
「えっ、何が?」
「魔法が使えなくても、あれだけ強いなんてさ。私なんて何もできなかったのに」