名門の魔法学校を首席で卒業した私、「女のくせに生意気だ」という理由で婚約破棄される〜代わりにもらってくれたのは、入学からずっと首席争いをしていた次席のライバル王子でした〜
よかった。思っているよりもひどい状況にはなっていないようだ。
死者は無しで、本格的に開拓を進めていた中央部までは飛竜の手が届いていない。
つまり……
「ここであの竜を止めれば、最小限の被害で事態を収めることができる」
私が思ったことを代弁するように、ディルが飛竜を見据えながら呟いた。
次いで彼は、すかさずこちらを振り向く。
「行こう、ローズマリー!」
「うん!」
彼の声に頷きを返すと、私たちは同じタイミングで飛竜の方へ駆け出した。
そしてディルは開拓兵たちに指示を残す。
「開拓兵は戦いに巻き込まれないように、できる限り遠くへ離れてくれ!」
「承知いたしました!」
「ディル様、ローズマリー様、どうかご武運を!」
開拓兵たちは力になれないことが悔しいのか、申し訳なさそうな顔で応えていた。
しかしそれも無理はない。
今、私たちの目の前にいるのは、このソイル王国を恐怖に陥れた過去最恐の魔物だ。
遠目に暴れ回っている姿を見るだけでも、生物的な本能が“逃げろ”と訴えかけてくる。
それでも私とディルは飛竜を目掛けて全力で走り、冷静に敵の姿を見据えた。
死者は無しで、本格的に開拓を進めていた中央部までは飛竜の手が届いていない。
つまり……
「ここであの竜を止めれば、最小限の被害で事態を収めることができる」
私が思ったことを代弁するように、ディルが飛竜を見据えながら呟いた。
次いで彼は、すかさずこちらを振り向く。
「行こう、ローズマリー!」
「うん!」
彼の声に頷きを返すと、私たちは同じタイミングで飛竜の方へ駆け出した。
そしてディルは開拓兵たちに指示を残す。
「開拓兵は戦いに巻き込まれないように、できる限り遠くへ離れてくれ!」
「承知いたしました!」
「ディル様、ローズマリー様、どうかご武運を!」
開拓兵たちは力になれないことが悔しいのか、申し訳なさそうな顔で応えていた。
しかしそれも無理はない。
今、私たちの目の前にいるのは、このソイル王国を恐怖に陥れた過去最恐の魔物だ。
遠目に暴れ回っている姿を見るだけでも、生物的な本能が“逃げろ”と訴えかけてくる。
それでも私とディルは飛竜を目掛けて全力で走り、冷静に敵の姿を見据えた。