名門の魔法学校を首席で卒業した私、「女のくせに生意気だ」という理由で婚約破棄される〜代わりにもらってくれたのは、入学からずっと首席争いをしていた次席のライバル王子でした〜
四階位魔法の並列発動。
一つは鋼鉄製の巨大な矢を射出する魔法。
もう一つは小さいながらも強力な旋風を生み出す魔法。
どちらも威力は折紙付で、単体で使っても脅威となる。
その二つを同時に発動させることで、相乗効果が生まれてより強力な一撃へと昇華させることができるのだ。
矢の発射口に小規模の竜巻を発生させる。
それにより放たれた鋼鉄の大矢に強烈な回転の力が加わる。
単体で使っても充分な威力を持つ大矢の魔法に、より破壊力と貫通力を与えることができる。
矢は高速で回転しながら飛来し、強烈な一撃になって黒竜へと迫っていった。
だが――
カンッ!
「……硬い」
回転する鋼鉄の大矢は、黒竜の魔装に阻まれて弾かれてしまった。
並の魔物であれば、数十体重なっていても余裕で貫けるほどの威力なのに。
よもや魔装をろくに削ることもできないなんて、他の魔物とは頑丈さが桁違いである。
ただ、驚きはしない。
あの赤蛇にも四階位魔法は通用していなかったので、伝説の飛竜ならばそれ以上に厄介でも不思議はないから。
であれば……
(性質は炎。形状は大玉。【灼熱の球体】)
あの赤蛇を一撃で屠った魔法を、黒竜にも食らわせてやればいい。
(性質は爆発。形状は礫。【爆裂する小さな礫】)
四階位魔法の複合発動。
二種の魔法を融合させることで、まったく別の魔法へと変化させる絶技だ。
右手の人差し指に莫大な量の魔素が収束し、真紅の魔法陣が展開される。
その力の圧を気取ったのか、ディルはこちらから注意を促すより先に、すかさず後ろへ下がってくれた。
(【小さな太陽】)
指先の魔法陣から、紅色に光り輝く礫が放たれる。
それは黒竜の体に触れた瞬間、輝きが増して強烈な光を迸らせた。
真っ赤な光に視界が覆われた直後、激しい爆音と熱風が拡散する。
その衝撃によって森の木々が忙しなく揺れて、とてつもない地響きが辺り一面に広がった。
強風と土埃に煽られながら顔を手で覆っていると、次第に視界が晴れていく。
そして爆発の中心となった場所に、改めて視線を向けてみると……
そこには、無傷のまま佇んでいる、恐ろしい黒竜の姿があった。
一つは鋼鉄製の巨大な矢を射出する魔法。
もう一つは小さいながらも強力な旋風を生み出す魔法。
どちらも威力は折紙付で、単体で使っても脅威となる。
その二つを同時に発動させることで、相乗効果が生まれてより強力な一撃へと昇華させることができるのだ。
矢の発射口に小規模の竜巻を発生させる。
それにより放たれた鋼鉄の大矢に強烈な回転の力が加わる。
単体で使っても充分な威力を持つ大矢の魔法に、より破壊力と貫通力を与えることができる。
矢は高速で回転しながら飛来し、強烈な一撃になって黒竜へと迫っていった。
だが――
カンッ!
「……硬い」
回転する鋼鉄の大矢は、黒竜の魔装に阻まれて弾かれてしまった。
並の魔物であれば、数十体重なっていても余裕で貫けるほどの威力なのに。
よもや魔装をろくに削ることもできないなんて、他の魔物とは頑丈さが桁違いである。
ただ、驚きはしない。
あの赤蛇にも四階位魔法は通用していなかったので、伝説の飛竜ならばそれ以上に厄介でも不思議はないから。
であれば……
(性質は炎。形状は大玉。【灼熱の球体】)
あの赤蛇を一撃で屠った魔法を、黒竜にも食らわせてやればいい。
(性質は爆発。形状は礫。【爆裂する小さな礫】)
四階位魔法の複合発動。
二種の魔法を融合させることで、まったく別の魔法へと変化させる絶技だ。
右手の人差し指に莫大な量の魔素が収束し、真紅の魔法陣が展開される。
その力の圧を気取ったのか、ディルはこちらから注意を促すより先に、すかさず後ろへ下がってくれた。
(【小さな太陽】)
指先の魔法陣から、紅色に光り輝く礫が放たれる。
それは黒竜の体に触れた瞬間、輝きが増して強烈な光を迸らせた。
真っ赤な光に視界が覆われた直後、激しい爆音と熱風が拡散する。
その衝撃によって森の木々が忙しなく揺れて、とてつもない地響きが辺り一面に広がった。
強風と土埃に煽られながら顔を手で覆っていると、次第に視界が晴れていく。
そして爆発の中心となった場所に、改めて視線を向けてみると……
そこには、無傷のまま佇んでいる、恐ろしい黒竜の姿があった。