名門の魔法学校を首席で卒業した私、「女のくせに生意気だ」という理由で婚約破棄される〜代わりにもらってくれたのは、入学からずっと首席争いをしていた次席のライバル王子でした〜
「う……そ……」
傷一つない黒竜の姿を見て、私は果てしない絶望を感じる。
この一撃で倒し切れるとは思っていなかったけど、まさか魔装すらろくに削れないなんて。
あの赤蛇さえも一撃で屠った、私の全力の複合魔法なのに……
「まさかローズマリーの全力でも、傷一つ付けられないとはね」
言葉を失っている私の傍らで、さしものディルも苦い顔を見せる。
そんな私たちの絶望を後押しするかのように、黒竜が再び業火の息吹を掛けてきた。
「【逆行する白滝】」
ディルが目覚ましい反応で防壁魔法を展開してくれる。
黒竜《シャドウ》もムキになったのか、その壁を壊そうとして絶えず炎の息を吹き続けていた。
今のうちに、黒竜を討伐する手段を考えないと。
でも、いったいどうしたら……
「グオオォォォ!!!」
ディルが築いた防壁を崩せず、黒竜は怒りを募らせたように咆哮する。
そしてこちらに構うのが時間の無駄と判断したらしく、奴は周りの木々に向かって炎を吐き出し始めた。
森林地帯の鮮やかな緑が、残酷にも燃やされていく。
私はそれを止めるべく、咄嗟に魔法を発動させた。
「ここは壊させない!」
千の短剣を射出する魔法と、所持している武器に強力な雷の性質を付与する魔法。
その二つを複合発動させることで、豪雷を宿した千の短剣を射出する魔法へと昇華させることができる。
私の周りに幾数もの紫色の魔法陣が展開されて、そこから雷を帯びた短剣が複数飛び出してきた。
高速で飛ばされた短剣たちは、瞬く間に黒竜の体に衝突する。
だが――
ガンッガンッ!
すべて魔装に阻まれて、あっけなく弾かれてしまう。
傷一つない黒竜の姿を見て、私は果てしない絶望を感じる。
この一撃で倒し切れるとは思っていなかったけど、まさか魔装すらろくに削れないなんて。
あの赤蛇さえも一撃で屠った、私の全力の複合魔法なのに……
「まさかローズマリーの全力でも、傷一つ付けられないとはね」
言葉を失っている私の傍らで、さしものディルも苦い顔を見せる。
そんな私たちの絶望を後押しするかのように、黒竜が再び業火の息吹を掛けてきた。
「【逆行する白滝】」
ディルが目覚ましい反応で防壁魔法を展開してくれる。
黒竜《シャドウ》もムキになったのか、その壁を壊そうとして絶えず炎の息を吹き続けていた。
今のうちに、黒竜を討伐する手段を考えないと。
でも、いったいどうしたら……
「グオオォォォ!!!」
ディルが築いた防壁を崩せず、黒竜は怒りを募らせたように咆哮する。
そしてこちらに構うのが時間の無駄と判断したらしく、奴は周りの木々に向かって炎を吐き出し始めた。
森林地帯の鮮やかな緑が、残酷にも燃やされていく。
私はそれを止めるべく、咄嗟に魔法を発動させた。
「ここは壊させない!」
千の短剣を射出する魔法と、所持している武器に強力な雷の性質を付与する魔法。
その二つを複合発動させることで、豪雷を宿した千の短剣を射出する魔法へと昇華させることができる。
私の周りに幾数もの紫色の魔法陣が展開されて、そこから雷を帯びた短剣が複数飛び出してきた。
高速で飛ばされた短剣たちは、瞬く間に黒竜の体に衝突する。
だが――
ガンッガンッ!
すべて魔装に阻まれて、あっけなく弾かれてしまう。