名門の魔法学校を首席で卒業した私、「女のくせに生意気だ」という理由で婚約破棄される〜代わりにもらってくれたのは、入学からずっと首席争いをしていた次席のライバル王子でした〜
それを離れた場所で見ていたディルも、倒れた黒竜を呆然と見据えながら立ち尽くしていた。
「君はいったい、どこまで強くなるっていうんだ……」
ライバルの前で格好のいい姿を見せることができた。
黒竜を討伐できたことより、そちらの喜びの方が私としては大きいように感じた。
しかしその時――
「グ……オオォォォ!!!」
「――っ!?」
倒したと思っていた黒竜が、突然咆哮しながら体を起こした。
予期せぬ事態に、私とディルは揃って目を見開く。
唖然とする中、黒竜は傷付いた翼を強引に動かしながら、空高くへと飛翔した。
そして私たちに背を向ける。
「まさか、逃げるつもり……!」
黒竜は私の一撃で深傷を負った。
命の危険を感じて、ここから逃げ去ろうとしても不思議じゃない。
まさかあの怪我で、まだ飛べる余力を残しているとは思わなかった。
絶対に逃すわけにはいかない。
「魔法で撃ち落とす!」
私は即座に右手を構える。
離れていく黒竜の背中に手の平を向けて、集中力を研ぎ澄ました。
ここで奴を逃がすと、また別の領地や人々が襲われることになる。
その被害は数百人程度の規模では収まらないだろう。
いわばこの一撃には、数千人の命が掛かっている。
失敗が許されない状況に、私は息を飲みながら右手に魔素を集中させた。
「君はいったい、どこまで強くなるっていうんだ……」
ライバルの前で格好のいい姿を見せることができた。
黒竜を討伐できたことより、そちらの喜びの方が私としては大きいように感じた。
しかしその時――
「グ……オオォォォ!!!」
「――っ!?」
倒したと思っていた黒竜が、突然咆哮しながら体を起こした。
予期せぬ事態に、私とディルは揃って目を見開く。
唖然とする中、黒竜は傷付いた翼を強引に動かしながら、空高くへと飛翔した。
そして私たちに背を向ける。
「まさか、逃げるつもり……!」
黒竜は私の一撃で深傷を負った。
命の危険を感じて、ここから逃げ去ろうとしても不思議じゃない。
まさかあの怪我で、まだ飛べる余力を残しているとは思わなかった。
絶対に逃すわけにはいかない。
「魔法で撃ち落とす!」
私は即座に右手を構える。
離れていく黒竜の背中に手の平を向けて、集中力を研ぎ澄ました。
ここで奴を逃がすと、また別の領地や人々が襲われることになる。
その被害は数百人程度の規模では収まらないだろう。
いわばこの一撃には、数千人の命が掛かっている。
失敗が許されない状況に、私は息を飲みながら右手に魔素を集中させた。