名門の魔法学校を首席で卒業した私、「女のくせに生意気だ」という理由で婚約破棄される〜代わりにもらってくれたのは、入学からずっと首席争いをしていた次席のライバル王子でした〜
「初めまして、ディル・マリナードと申します」
ディルは王子らしく、豪勢な馬車に乗って屋敷を訪ねてきた。
王家の紋章が肩にあしらわれた、爽やかな青のフロックコートを揺らし、クールな表情で挨拶をしてくる。
対するお父様とお母様は、実際にディルを目の前にして体と声を震わせていた。
「ほ、本当に、あのディル王子だ……!」
「ディル王子が、ローズマリーのことを迎えに来るなんて……!」
改めて王子が私の婚約者になることを実感して、二人揃って驚愕しているらしい。
ミルラお兄様も傍らで立ち尽くしていた。
「今日までの手紙のやり取りにて、事情はご存じかと思いますが、改めてご挨拶を。ここにいるローズマリーをマリナード王家に迎え入れようと思っております。何か不都合などはございますか?」
「い、いえ、特に何も……! むしろこちらからお願いできたらと思っております!」
お父様は緊張した様子で答えている。
いやでも、改めて考えるとディルは第二王子様だもんね。
私は話し慣れているから緊張なんて微塵もしないけど、他の人たちからしたらとんでもなく目上の存在だ。
ここまで緊張してしまうのも無理はないのかもしれない。
そう考えるととんでもない人と結婚することになったものだ。
ディルは王子らしく、豪勢な馬車に乗って屋敷を訪ねてきた。
王家の紋章が肩にあしらわれた、爽やかな青のフロックコートを揺らし、クールな表情で挨拶をしてくる。
対するお父様とお母様は、実際にディルを目の前にして体と声を震わせていた。
「ほ、本当に、あのディル王子だ……!」
「ディル王子が、ローズマリーのことを迎えに来るなんて……!」
改めて王子が私の婚約者になることを実感して、二人揃って驚愕しているらしい。
ミルラお兄様も傍らで立ち尽くしていた。
「今日までの手紙のやり取りにて、事情はご存じかと思いますが、改めてご挨拶を。ここにいるローズマリーをマリナード王家に迎え入れようと思っております。何か不都合などはございますか?」
「い、いえ、特に何も……! むしろこちらからお願いできたらと思っております!」
お父様は緊張した様子で答えている。
いやでも、改めて考えるとディルは第二王子様だもんね。
私は話し慣れているから緊張なんて微塵もしないけど、他の人たちからしたらとんでもなく目上の存在だ。
ここまで緊張してしまうのも無理はないのかもしれない。
そう考えるととんでもない人と結婚することになったものだ。