名門の魔法学校を首席で卒業した私、「女のくせに生意気だ」という理由で婚約破棄される〜代わりにもらってくれたのは、入学からずっと首席争いをしていた次席のライバル王子でした〜
それをディルに見抜かれてしまう。
「何を固くなっているのさ。僕に挨拶するのは違和感でもあるのかな?」
「そ、そういうわけじゃないけど……」
いや、それも一応合っているのかな。
私たちは知り合ってから随分経つのに、思い返せば一度も「おはよう」を言い合ったことがないから。
「違和感があるなら、エルブ魔法学校の廊下みたいに、睨みつけてくるだけでもいいんだよ」
「私から睨んでたみたいに言わないでよ! ディルが睨んでくるから私も睨み返してただけでしょ!」
そもそも最初に勝負とか仕掛けてきたのはそっちのほうじゃん。
と思って言い返すと、ディルは不意に微笑をたたえた。
「そういう強気なほうが君らしいよ。じゃあ、用があったら改めて声をかけるから」
ディルはそう言って廊下を歩いていった。
なんかディルのほうが余裕がある感じがして少し悔しい。
でもおかげで気まずさがなくなって、私の心がまた軽くなった。
これなら明日からは、普通に「おはよう」を言えそうな気がする。
晴れ晴れとした気持ちになり、私は改めて書斎へと向かうことにした。
屋敷の一階の最奥の部屋がそれにあたり、私は高揚しながら書斎へと入る。
「わぁぁ……!」
そこには魔導書がいっぱい置かれていた。
「何を固くなっているのさ。僕に挨拶するのは違和感でもあるのかな?」
「そ、そういうわけじゃないけど……」
いや、それも一応合っているのかな。
私たちは知り合ってから随分経つのに、思い返せば一度も「おはよう」を言い合ったことがないから。
「違和感があるなら、エルブ魔法学校の廊下みたいに、睨みつけてくるだけでもいいんだよ」
「私から睨んでたみたいに言わないでよ! ディルが睨んでくるから私も睨み返してただけでしょ!」
そもそも最初に勝負とか仕掛けてきたのはそっちのほうじゃん。
と思って言い返すと、ディルは不意に微笑をたたえた。
「そういう強気なほうが君らしいよ。じゃあ、用があったら改めて声をかけるから」
ディルはそう言って廊下を歩いていった。
なんかディルのほうが余裕がある感じがして少し悔しい。
でもおかげで気まずさがなくなって、私の心がまた軽くなった。
これなら明日からは、普通に「おはよう」を言えそうな気がする。
晴れ晴れとした気持ちになり、私は改めて書斎へと向かうことにした。
屋敷の一階の最奥の部屋がそれにあたり、私は高揚しながら書斎へと入る。
「わぁぁ……!」
そこには魔導書がいっぱい置かれていた。