名門の魔法学校を首席で卒業した私、「女のくせに生意気だ」という理由で婚約破棄される〜代わりにもらってくれたのは、入学からずっと首席争いをしていた次席のライバル王子でした〜
私の部屋と同じくらい大きな部屋。
扉側以外の壁はすべて本棚になっていて、木造りの梯子が置かれるほどの段がある。
その中で大人な雰囲気を出すのは、焦茶色のシックなテーブルとチェア。どちらも豪華な装飾が施されている。
どことなく落ち着くその空間に立ち、私は静かに息を吸い込んだ。
「……本の匂いがする」
ここにある魔導書、全部読んでいいんだ。
この場所で自由に、時間の許す限り魔導書を読んでいいんだ。
そう考えるだけで高揚感が増していき、私はさっそく目についた魔導書に片っ端から手を伸ばした。
「一時的に視力をよくして、本とか読みやすくする魔法かぁ。こっちは洗濯物とか食材の水気を一気に取り払う生活系の魔法……。全部面白そう!」
初めて見る魔導書の数々に感動し、休みなくページをめくっていく。
気が付けば三時間も経過していて、すっかり昼食時となっていた。
こうしているだけでいいなんて、この職場はあまりにもホワイトすぎる。
それにご飯は美味しいし、使用人さんは優しいし、部屋は広くて綺麗だし。
一介の侯爵夫人として終わるはずだった人生なのに、まさかこんなにも優遇された生活を送れるようになるなんて。
「この職場、最高すぎるでしょ……!」
初めは実家のために領地開拓の手伝いを頑張ろうと思っていたけど……
それと同じくらい、この生活を続けるためにも、ここで活躍しようと思ったのだった。
扉側以外の壁はすべて本棚になっていて、木造りの梯子が置かれるほどの段がある。
その中で大人な雰囲気を出すのは、焦茶色のシックなテーブルとチェア。どちらも豪華な装飾が施されている。
どことなく落ち着くその空間に立ち、私は静かに息を吸い込んだ。
「……本の匂いがする」
ここにある魔導書、全部読んでいいんだ。
この場所で自由に、時間の許す限り魔導書を読んでいいんだ。
そう考えるだけで高揚感が増していき、私はさっそく目についた魔導書に片っ端から手を伸ばした。
「一時的に視力をよくして、本とか読みやすくする魔法かぁ。こっちは洗濯物とか食材の水気を一気に取り払う生活系の魔法……。全部面白そう!」
初めて見る魔導書の数々に感動し、休みなくページをめくっていく。
気が付けば三時間も経過していて、すっかり昼食時となっていた。
こうしているだけでいいなんて、この職場はあまりにもホワイトすぎる。
それにご飯は美味しいし、使用人さんは優しいし、部屋は広くて綺麗だし。
一介の侯爵夫人として終わるはずだった人生なのに、まさかこんなにも優遇された生活を送れるようになるなんて。
「この職場、最高すぎるでしょ……!」
初めは実家のために領地開拓の手伝いを頑張ろうと思っていたけど……
それと同じくらい、この生活を続けるためにも、ここで活躍しようと思ったのだった。